【utit】たんぺんしゅう (ページ3)

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帰り道 amtk ページ3

今日は久しぶりに彼女とデート。

すごく楽しかった。

「楽しかったね」

『うん、すごく楽しかった』

そう笑顔で笑う彼女はとても可愛い。

『忙しいのにお買い物一緒に行ってくれてありがとう』

「いやいや

今日は絶対Aとデートするって決めてたから！

俺の方こそいつも彼氏っぽいことできなくてごめん」

『気にしなくていいよ？

私は配信してる天月くんもゲームしてる天月くんも

歌を歌う天月くんも

それにこうやって隣にいてくれる天月くんも

みんな好きだから』

俺はすごくいい彼女に恵まれている。

もう一生離したくない

とはいえ好きと言われて少し照れた俺は

窓を指さす。

「見て！夕日めっちゃ綺麗！」

『・・・うわぁ！本当すごく綺麗』

夕日を見た彼女の目は照らされてキラキラ輝いている。

しかし少しとろんとした目をしている。

「もしかしてちょっと疲れた？」

『うん。大人気なくはしゃぎすぎたかも

ちょっと眠たくなってきた』

俺はAので頭をそっと俺の方に押して肩に乗せた。

「着いたら起こしてあげるから寝てていいよ」

『じゃあお言葉に甘えて少しだけ』

俺とAしかいない車両。

会話がなくなると電車独特のガタンゴトンという音だけが響く。

俺はAの頭を撫でる

君は俺といて本当に楽しい？

もっと構ってくれる彼氏の方がいいんじゃないの？

もっと大切にしてくれる彼氏の方が・・・

「・・・君にはあってるかもしれないよ

こんな俺が彼氏でごめんね」

俺は唇にキスを落とす。

「でも君のことが好きなんだ。

これからも一緒にいてくれるかな」

俺の独り言は響かないほど小声で弱々しかった。

情けないなぁ

『私も好きだよ

これからも一緒にいるから安心して』

思いもよらない言葉が帰ってきて

俺はAの顔を覗く。

大きな瞳がキラキラと輝いていた。

「起きてたの！？」