モーニングコール amtk ページ20
ｐｒｒ・・・ｐｒｒ・・・という効果音が、枕もとで振動とともに部屋の中に響く。
あぁ、アラームかな・・・？
なんて思いながらほぼほぼ頭が眠っている状態でスマホのディスプレイを適当にポチっと押した。
「おーいA〜。おはよー」
「・・・ふぇ？
え？あ、天月くん・・・？」
突如聞こえてきたのは大好きな彼の声で、
私は困惑してしまった。
「A、何でそんな戸惑っちゃってるの？」
「……え？いや、ちょっと状況掴めなくて…？」
「えぇー、この前約束したじゃん！忘れちゃった……？」
「約束？…あっ」
その言葉を聞いて、少し前の会話を思い出した。
＊＊＊
『うぅ……まじで起きられない……』
『Aって、朝苦手？』
『めっちゃ苦手……』
朝、いつも時間ギリギリになってしまっていてボソッと呟くと、近くにいた天月くんから反応が返ってきた。
『んー……。
あ、じゃあモーニングコールでもしようか？』
『モーニングコール……？って何？
朝の電話？』
『近いけど…なんていうんだろ、目覚ましの電話版的な？それやるよ』
『え？お願いします…？』
＊＊＊
「思い出した？」
「思い出した…けど、あれ本気だったの？」
私はてっきりちょっとした冗談の類だと考えていたのだけれど、こうして電話がかかってきたということは本気だったのか。
「大丈夫だよ…？
やること増えると大変になっちゃうだろうし…」
「別に大変じゃないよ？」
「えっ？」
やることの数が増えるのだから、そんなはずないと思うのだけれど…返ってきたのは何故か否定の言葉だ。
「だって朝からAの声聞こえるんだよ？それってむしろ嬉しいことじゃん」
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作者名：朔間.寝野.結衣 x他2人 | 作成日時：2022年3月1日 18時
