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100/メリットは、 ページ50

*

「A。トントンの言う通り、これは危険なことかもしれない。だがデメリットもあればメリットもある……何だったら、きちんと説明した方がいいか?」

 その緩い笑みからは、強要も威圧も感じられない。
もしも私がはいと首を縦に振れば、彼はその口で直々にメリットデメリットとやらを説明してくれるだろう。

 しかし、私はそうとは言わなかった。

『……いえ、結構です』

「流石、聡明だな。候補にはピッタリだと思わんか、トントン」

「……。まぁ」

 私は自国にいたときから、その身分故にかなり高等な教育を受けて育った。
市井の子らがもたないような知識を頭に入れたし、様々な技術を叩きこんだし、社交界だって出席した。
その振る舞いについて悪い評判こそなかったので、少なくとも及第点は貰える出来だったのだと思う。

 そこを考えると、総統のパートナーに私を選ぶメリットになる。
強いて言えば、"力"のせいで表に出る機会は元々多くはなく、我々国に来る直前の数年間はほぼ引き籠っていた状態。
死亡扱いに加え、他国の人間で私の顔を覚えている人物はほぼ居ないと考えられる。

 万が一勘付かれても、他人の空似でどうとでも誤魔化せそうではあった。
――それが、他国の人間なら。

「……ディエグナンテの人間が来たら?」

 頬杖をついて言い放ったのはゾム様だった。

 そうだ。それがもし、あの国の人間なら。
皇帝主催のパーティだ。王である父とまではいかずとも、それなりの地位の者が来るのは必至。
私の顔など十二分に割れている。そうなれば誤魔化せない。

『ディエグナンテはアシュリアとも距離がございますし、元々外の社交界に出向くことは多くはございませんでした。それを考えれば、参加しないことも充分有り得ます』

「……へぇ、そうなんか」

「でもそうとは限らんやろ」

『……そうでございますね。あくまでも可能性の話になります』

 しかしかの国の人間が来るか来ないか、今の私に知る由などないのだから。

 ――でも。
もし、父が来たら? 父の顔を、一目でも見ることが出来たら?

 言葉を交わせなくていい。遠くから見るだけでいい。
生きている姿を見られるのなら。
それだけで、出向いていく理由になってしまうのだ。私にとっては。

「A、どうだ」

『……。私は――』


-----

Part3、引き続きよろしくお願いします。

*

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江之子(えのこ)(プロフ) - ささん» 初めまして、コメントありがとうございます。最新話のみならず読み返しまでしていただけるとは…。どうぞ、これからも長々とこの作品をご愛顧してもらえたらと思います!応援感謝です。 (2017年6月6日 16時) (レス) id: d4b2bfad59 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初めまして。えのこ様のお話が大好きです。最新話を追いつつ初めから読み直しては楽しませてもらっています。これからも応援しております! (2017年6月6日 15時) (レス) id: 91a8ff52f5 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(えのこ)(プロフ) - ahirudokuro112さん» コメントありがとうございます。毎日気にかけてくださるほど印象を残せたこと、一書き手としては嬉しいばかりです。それをこうして文字にして伝えてくださったことをとてもありがたく思います!今度とも、どうぞよろしくお願いします。 (2017年6月4日 0時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
ahirudokuro112(プロフ) - 初めてコメントさせてもらいます。いつもとても楽しく読ませて貰ってます。気づけば毎日朝と夜に更新されてないかチェックするのが日課になってます笑。ぜひこの気持ちをお伝えできたらとコメントさせていただきました。 (2017年6月3日 23時) (レス) id: f8fb3df520 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(えのこ)(プロフ) - 井戸らさん» コメントありがとうございます。私の場合、気が付いたらこんな文体になってまして、くどいかな…とドキドキしながら書いてる面があるのですが…。それを褒めていただけるのは何より嬉しいです。今後もお楽しみに! (2017年5月27日 23時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:江之子(えのこ) | 作成日時:2017年5月22日 1時

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