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「あー、そのな、何て言うんやろ。グルさんは今までパーティーとかは極力出てへんかってんけど、今回はそうそう断れへん大規模なものや。他の近隣国のトップも大勢参加する」

「うんうん、それで?」

「言ってしまえば、舐められたらアカン訳や」

「まぁそやろなぁ」

「そこで、や。こういうパーティーでは普通、お偉い方はパートナーを連れて行くんやな」

「パートナー?」

「おうグルッペン、俺が行ったろかぁ? がはは」

「アホかチワワは引っ込んどれ、女や、お、ん、な!」

「はぁ? 女ぁ?」

 コネシマ様はたちまち笑い声を引っ込めてきょとんと目を丸くすると、そのままの顔でグルッペン総統を向いた。そして何度か瞬きを繰り返すと。

「……え、ごめん想像できへんわ」

「コネシマお前ええ度胸やな」

「や! ちゃうくて!」

 先程から続く不機嫌そうな顔から出される低い声は、言われた本人でなくても思わずビクリとしてしまう程だった。
つい本音を零してしまったのであろうコネシマ様は口をつぐみ、誤魔化すように一口紅茶を含んだ。

「……つまり、パーティーに連れて行く女性を探しとる訳やな?」

「そういうことだゾ」

「女性ったって、グル氏女っ気全くないやん。無理ちゃう?」

「一人で行ったらあかんの?」

「そうしたいのはやまやまだが、みみっちい嫌味を言ってくる奴も少なくないからな」

「ほーん、そりゃあまぁ」

 どうしたもんか。
会議室に一抹の沈黙が落ちる。

 力になるではないが、密かに候補を思い浮かべてみた。
まず城内にいる女性といえば、ユリアのような女兵士、それにエーミール様率いる開発部の女性だ。城に仕えるくらいなのだから、良家出身である女性もいくらかはいるだろう。

 それこそユリアだって貴族の家出身だったはずである。
そういった行事の心得もあるだろうし、一日だけ総統の引き立て役として同行するくらいなら十分な人材だ。

 それ以外でいくとこの国の富豪の女性やらになってくるだろうが、そこまでは流石に私は把握しきれていない。

『……』

 やっぱり、ユリアか。彼女なら私が口添えすれば了承する。
もしも候補が見つからぬようなら後で総統に提案してみるのもありか、と話し合いの方に目を戻すと。
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江之子(えのこ)(プロフ) - ささん» 初めまして、コメントありがとうございます。最新話のみならず読み返しまでしていただけるとは…。どうぞ、これからも長々とこの作品をご愛顧してもらえたらと思います!応援感謝です。 (2017年6月6日 16時) (レス) id: d4b2bfad59 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初めまして。えのこ様のお話が大好きです。最新話を追いつつ初めから読み直しては楽しませてもらっています。これからも応援しております! (2017年6月6日 15時) (レス) id: 91a8ff52f5 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(えのこ)(プロフ) - ahirudokuro112さん» コメントありがとうございます。毎日気にかけてくださるほど印象を残せたこと、一書き手としては嬉しいばかりです。それをこうして文字にして伝えてくださったことをとてもありがたく思います!今度とも、どうぞよろしくお願いします。 (2017年6月4日 0時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
ahirudokuro112(プロフ) - 初めてコメントさせてもらいます。いつもとても楽しく読ませて貰ってます。気づけば毎日朝と夜に更新されてないかチェックするのが日課になってます笑。ぜひこの気持ちをお伝えできたらとコメントさせていただきました。 (2017年6月3日 23時) (レス) id: f8fb3df520 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(えのこ)(プロフ) - 井戸らさん» コメントありがとうございます。私の場合、気が付いたらこんな文体になってまして、くどいかな…とドキドキしながら書いてる面があるのですが…。それを褒めていただけるのは何より嬉しいです。今後もお楽しみに! (2017年5月27日 23時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:江之子 | 作成日時:2017年5月22日 1時

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