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「何を調子のいいことを……!」
「それに対して……フン、随分と大層なおもてなしだ」
周囲を取り囲んだ兵士たちを見回したグルッペン。
たったそれだけのことで、兵士たちは気圧されるように身をよじらせる。彼が笑みを湛えているにもかかわらず、だ。
「ここに来るまでに、何人も兵をのしただろう!」
「当然だ、邪魔をしてきたからな」
「完全なる武力行使! こいつらをひっ捕らえろぉ!!」
宰相の怒号を皮切りに、尻込みしていた兵士たちは一斉にグルッペン達に躍りかかる。
「……グルさん」
「構わん、やれ」
その二言で、十人にも満たぬ幹部らの気迫が膨れ上がった。
刃と刃が弾かれ合う金属音と、何かを切り裂く鈍い音。衝撃を耐える呻き声と、痛みに嘆く金切り声。様々な音と声が、広い室内に入り混じる。
「へ、へへっ、ちょろいな!」
「……調子よさそうやな、シャオさん」
「ん? んー、そう見える?」
「まぁ……おん」
「昨日、いいことあった、からか、なぁっ!」
言葉を交わしながらも、シャオロンは確実に敵の鳩尾に一撃を入れる。
「そりゃあ良かったですねぇ」
「トントンにも後で話してやるよ!」
「……ん」
新しく切りかかってくる兵士を相手取るのに集中するフリをして、トントンは素っ気なく顔を背けた。
「ぬ、う……! 何故これだけの人数がいて、一人も捕らえられんのか!!」
真っ赤になって地団駄を踏む宰相の喚く声もあっけなく、やがて大公の間にいた兵士たちは一人残らず床に伏してしまった。
立っているのは宰相および、武装していなかった数人の重役だろう者たち。そして言わずもがな、我々国側の幹部らである。
とちょうどそのとき、タイミング良く部屋に備わった両開きの扉が、ギィと音を立てて開いた。
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江之子(えのこ)(プロフ) - ささん» 初めまして、コメントありがとうございます。最新話のみならず読み返しまでしていただけるとは…。どうぞ、これからも長々とこの作品をご愛顧してもらえたらと思います!応援感謝です。 (2017年6月6日 16時) (レス) id: d4b2bfad59 (このIDを非表示/違反報告)
さ(プロフ) - 初めまして。えのこ様のお話が大好きです。最新話を追いつつ初めから読み直しては楽しませてもらっています。これからも応援しております! (2017年6月6日 15時) (レス) id: 91a8ff52f5 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(えのこ)(プロフ) - ahirudokuro112さん» コメントありがとうございます。毎日気にかけてくださるほど印象を残せたこと、一書き手としては嬉しいばかりです。それをこうして文字にして伝えてくださったことをとてもありがたく思います!今度とも、どうぞよろしくお願いします。 (2017年6月4日 0時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
ahirudokuro112(プロフ) - 初めてコメントさせてもらいます。いつもとても楽しく読ませて貰ってます。気づけば毎日朝と夜に更新されてないかチェックするのが日課になってます笑。ぜひこの気持ちをお伝えできたらとコメントさせていただきました。 (2017年6月3日 23時) (レス) id: f8fb3df520 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(えのこ)(プロフ) - 井戸らさん» コメントありがとうございます。私の場合、気が付いたらこんな文体になってまして、くどいかな…とドキドキしながら書いてる面があるのですが…。それを褒めていただけるのは何より嬉しいです。今後もお楽しみに! (2017年5月27日 23時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:江之子 | 作成日時:2017年5月22日 1時