ダイスキデス 2

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二階堂 side


なんか、モヤモヤしてる。

千賀が、ガヤを意識してんのに気がついてしまったから。

はじめは、オレがよくガヤのこと好き好き言ってんのが気になってるだけかと思ってた。

けど、楽屋に戻らない千賀を心配してスタジオに迎えに行ったら、明らかに誰もいないところで、ガヤの手を触って･･･喜んでた。


なんかいつもと違う感じが、嫌だって思った。


でも、俺は、ヤキモチとか妬くキャラじゃねーし、かといって、なかったことにできるほど、人間できてない。



明日は久々のオフ。

1度家に帰ってから、千賀が俺ん家に来ることになっていた。


(着いたよ♪)って、メールが来て、ドアベルが鳴るので、玄関のドアを開けた。

｢鍵持ってんだから、そのまま入ってこいよ」

｢んー、なんか玄関まで迎えに来て欲しいじゃんねー」

なんて、オレの気持ちなんか知らないお前は、オレが何にも言わなくても、ご機嫌な様子で洗面所へむかい、いつものルーティン、手洗いうがいをやってくれてる。


仕事場で感じた違和感を放ってないのは、オレに気を遣ってのことなんだろうか？



｢なぁ、オレ、隠し事とかされるのヤなんだけど･･･。
今日のアレ･･･ガヤと･･･なんだったの？」


結局、オブラートにも包めず、顔も見れないまま ストレートにしか聞けない自分自身にも苛立つ。


｢えっ･･･見てたの？」


部屋に入ってきた千賀は、目を丸くして、驚きを隠せない表情で、オレを見下ろした。


そしてオレの隣にドスッと座り込むと、フゥーと息を吐いた。


｢あのね、今日夢をみたの。
ニカとガヤさんを間違えちゃう夢。
ニカの手だと思って握ってたら、ガヤさんの手で･･･。
俺さぁ、ニカのこと、何でも知ってると思ってたのに･･･全然分かってなかったんだなぁって」


そう言うと、オレの手を握ってくる。


｢でさぁ、実際、今日ガヤさんの手を触らせてもらったんだよね。
やっぱり全然違ってて、あの夢の中の手は、絶対、二階堂の手だったよ。
間違ってなかった･･･」


ふわりと笑って愛おしそうにオレの手を撫でる千賀の目は、うっすら潤んでいた。


｢だぁー、なんで泣くんだよ、んな事で。」


頭から抱え込むように、抱きしめてやる。


｢なんか、悔しかった･･･
あんな事に動揺させられて、振り回されて。
ごめん･･･ごめんね 二階堂」


小さくかすれた声で謝るお前の手を、ぎゅっと力強く握り返す。


｢コレが俺の手だから、もう絶対間違えんなよっ」

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