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「いい、いい、堅っ苦しい挨拶は」
細められた目は、面白いものを見たように私から外されることはない。
こちらも視線を逸らさずに周囲を伺うと、この部屋にはトントン書記長、それとオスマン外交官長が先客として居た。
奇しくも、というより今日のことを考えると当然というべきか、"私"を知る者のみが集まったことにより、ほんの少しだけ肩の力が抜けた。
それを察したのかどうか、グルッペン総統はエーミール様に視線を戻す。用件を言え、との合図だ。
「率直に言いますね。今日の外交……こちらのAをつけてもらえないかな」
「……ほぉ」
驚きはなかった。
手伝って欲しいと申し出があったとき、おそらくこうなるだろうとは予想できたし、何よりこうなることを期待していたからだ。
お三方の反応は様々だった。
一人は興味深げに頷き、一人は困惑、そしてもう一人はちらと私を一瞥して微笑む。
「何か、目的や利点があるのか」
「なるべくあの国に人工知能を見せたくないし、彼女なら自然な接待が出来る。これだけでも、良い案だとは思うけど」
「うむ、一理ある」
「……でも、危険とちゃうか」
「トントン、どうしてそう思う」
「グルさんも分かってはんねやろ、相手さんが仲良しこよしを持ち掛けてくる訳やないって。そんな場に彼女を関わらせるのは」
「でもトントン、彼女はただの使用人やで。相手はお偉いさんや、形だけでももてなしはせんとあかんやろ」
「……オスマン」
トントン様は、難しい顔で黙り込んでしまった。
反論する者がいなくなったことを確認したエーミール様は、先を続ける。
「それともう一つ。彼女自身に、思うところがあるようでしてね」
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夜風−yorukaze−(プロフ) - とても面白くて、サクサク読めます！これからも頑張ってください！ (2020年4月26日 17時) (
レス) id: 58cfefca5b (このIDを非表示/違反報告)
江之子(えのこ)(プロフ) - wlthzさん» コメント、ご意見ありがとうございます。一言についてですが、このスタンスをとれるのも紙媒体の小説にはないサイトの魅力だと考えていますし、これを気に入ってくださる方も居るので、今後は思いついたときに挿入するスタイルに変更しようと思います。 (2017年7月24日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
wlthz(プロフ) - コメント失礼します。１話終わるごとに挿入される一言で興が削がれます。物語自体は面白く読ませて頂いているので、そこだけが少し不満です。 (2017年7月24日 19時) (レス) id: 45eb196b6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2017年5月9日 0時
