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「Aちゃん、顔色が優れんようやけど……？」
オスマン様が気遣わしげな視線を向ける。しかし私は、緩やかに首を横に振った。
『……ご心配には及びません。体調が優れない訳ではございませんので』
「そっか……じゃあ、逆に何か心配事でもあるのかな」
エミさんもさっき何か言ってたよね、とオスマン様。
しばしどう言おうか考えて、私は口を開いた。
『現時点では、悪い予感がするとしか申し上げられません。私などが、このような軽率な口出しをするのは――』
「ええよ。他でもない"君"の発言や、聞き入れるに十分値するよ」
『……ありがとうございます』
気を悪くするでもなく、彼は私の発言を吟味するかのように考え込んだ。
……と、ふと彼が片耳を抑える。どうやら、
「あぁ、ロボロ……そう……ん、分かった。門を開けて大広間までお連れして」
インカムの向こう側にいる誰か――私は滅多に会わないが、恐らく通信監理官様だ――の声は、私には聞こえない。
「それから、グルッペンとトントンにも知らせて……他に何かあれば、あの二人が指示出してくれるやろうから。うん……うん」
やがてやり取りが終わると、彼は私に向き合って笑った。
「あちらさんが到着したよ。……じゃあ今日は、よろしくな」
『……かしこまりました』
公国からの客人を出迎えるつもりなのだろう。
オスマン様は背を向けると、少し急ぎ足で去っていった。
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夜風−yorukaze−(プロフ) - とても面白くて、サクサク読めます！これからも頑張ってください！ (2020年4月26日 17時) (
レス) id: 58cfefca5b (このIDを非表示/違反報告)
江之子(えのこ)(プロフ) - wlthzさん» コメント、ご意見ありがとうございます。一言についてですが、このスタンスをとれるのも紙媒体の小説にはないサイトの魅力だと考えていますし、これを気に入ってくださる方も居るので、今後は思いついたときに挿入するスタイルに変更しようと思います。 (2017年7月24日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
wlthz(プロフ) - コメント失礼します。１話終わるごとに挿入される一言で興が削がれます。物語自体は面白く読ませて頂いているので、そこだけが少し不満です。 (2017年7月24日 19時) (レス) id: 45eb196b6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2017年5月9日 0時
