白衣の彼は、保健室の守り神。

#休養も大事なんだよね。 ページ17

*

阿部side

耳元でガンガン鳴るアラームを止める。

、、、、、、

阿「やばっ、寝落ちしたっ！」

机の上に広がった書類。

書きかけのものもあって、やってしまったと思う。

阿「あぁ、、、」

勢いよく立ち上がったせいか、

クラクラするし頭が締め付けられるように痛い。

赴任してきてから1ヶ月。

前は小さな学校だったけど、

今回は大きな学校で覚えることもやることも多くて。

正直、無理してでもやろうとしてたとこもある。

阿「仕事、、行かなきゃ、、」

重たい身体に鞭を打って仕事の準備をする。

いつも欠かさない朝ごはんも今日は食べる気ないし、

お弁当だって作る時間が無かった。

阿「今日は、、電車で行くか、、」

いつもは車通勤だけど事故起こしそうで怖くて、

電車に揺られながら学校に向かう。

靴からスリッパに履き替えて、

保健室の鍵を開けてまずは換気。

阿「すぅっ、、はぁっ、、」

まだ少し冷たい風が吹き込んできて、

心做しかそれが心地よい。

そういえば昔からテスト前に追い込みかけすぎて、

寝不足と貧血で何度も病院のお世話になったなあ、、、

そういえば、朝の薬も飲んでなかったなぁ、、、

高「阿部ちゃん先生！ちょっと大丈夫？」

阿「うわっ、なんだ、、こーちか、、」

高「今日の欠席遅刻早退者の名簿持ってきてみたら、死にかけの阿部ちゃん先生いるし、、」

阿「勝手に殺さないで、、名簿ありがと。」

心配そうな顔で俺を見るこーちを送り出して、

今日の出席簿をパソコンで記録する。

やばい、、目がチカチカする、、

阿「最悪、、メガネ持ってきてないし、、」

コンタクトからメガネに変えようと思っても、

まさかのメガネをテーブルの上に忘れてきた。

あぁ、ついてない、、、

なんて考えながらいつもの仕事をこなして、

たまに怪我とかで来る生徒の対応もして。

生徒たちの検診結果報告書の作成もして、

印刷にかけてクラスごとに分別して配布ボックスに入れて、、

なんでこんな日に限ってこんなに仕事多いんだろ、、

阿「あ、、お昼ないんだった、、」

お昼になれば今日お弁当がないことに気づいたけど、

胸あたりの不快感が酷くて何か買って食べる気にもならなかった。

結局そのまま放課後まで仕事して、

校内の用品点検に行ったのだけど、、、

もう、ダメかも、、

酷い頭痛に襲われて、、、

佐「阿部ちゃんせんせっ！」

佐久間の大きな声を最後に、

眩しいくらいの世界から真っ暗な世界へ落ちた。

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