＊ ページ32
*
mm
『今から、お花屋さんいってもいいかな』
そんな阿部ちゃんからのメール。
ちょっと嬉しい半面、どこか心配でもあった。
普段、そんなメール一切送ってこないから。
それに、最近は俺の確認メールにも返信がなくて。
お花屋さんを早めに切り上げて迎え入れる準備をする。
mm「最悪、土砂降りかよ、、」
待っている間、不安を掻き立てるような土砂降りに。
しばらくして家のインターホンがなったから出てみれば、
ab「め、、め、、」
いつも折り畳み傘持ち歩いているはずなのに、
びしょ濡れで俺のもとを訪れてきた。
mm「すぐお風呂入れるね、そんな顔しないの。」
阿部ちゃんをもふもふのバスタオルで包んで、
すぐさま湯沸かしボタンを押した。
溜まった音楽が流れた瞬間に阿部ちゃんをお風呂に入れて、
少し大きいけれど俺の服を着させる。
mm「風邪ひくから髪の毛もちゃんと乾かしてね、」
とか言って、ドライヤーも渡したのだけれど、
全く動こうとしないから俺が乾かしてあげる。
阿部ちゃんの猫っ毛がふんわり仕上がって、
女子よりも綺麗な髪質のキューティクルがキラキラと反射する。
mm「阿部ちゃん、岩本くんに連絡して迎えに来てもらう？」
そう尋ねると少し悩んで、小さく首を横に振った。
ab「今は、、帰りたくない、、」
mm「分かりました、気が済むまでのんびりしてください。」
阿部ちゃんの頭を撫でて夜ご飯の準備を。
と思っていたのに、たった数分離れていただけで、
mm「こんなところで寝たら、風邪引きますよ。」
人をダメにするソファで充電が切れた阿部ちゃん。
びしょ濡れのカバンの中身も出せば、
努力の詰まったノートや分厚い教科書がしなしな。
少し破れてるノートに書かれた俺には全く分からない数式が、
シャーペンで上から何度もぐしゃぐしゃとされている。
阿部ちゃんを苦しめるものは俺がとってやりたいけど、
どうしてもこっち系の悩みは取る事が出来ない。
だから、せめて、心の拠り所になれば。
そんな思いを込めて、ラナンキュラスの花言葉を添えた。
sk「めめ！阿部ちゃん帰ってこないんだけど、何か知らない！？誘拐とされてないよね、、」
mm「あぁ、大丈夫です。今うちに居ます、ちょっと疲れちゃったみたいで。」
sk「そっかぁ、、よかった。めめ、阿部ちゃんのことよろしくね。」
阿部ちゃんを離してくれない佐久間くんにそう言われて、
誰も見てないのをいいことに大きくガッツポーズをした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1266人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪花(プロフ) - 合ってるかな？って思っても開かなくて。 (10月1日 16時) (
レス) id: 1656283d02 (このIDを非表示/違反報告)
えのきたけ(プロフ) - 雪花さん» 開けますが、何か問題が発生しておりますでしょうか？ (10月1日 14時) (レス) id: 1afea4884b (このIDを非表示/違反報告)
雪花(プロフ) - 白衣の彼は、保健室の守り神。あれパスワード開けるんですか？ (10月1日 13時) (レス) id: 1656283d02 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしゅう(プロフ) - はじめまして。作品読ませていただいてて、ベッターへの登録がうまくいかずだったので、こちらも残して、更新もしていただける意向とのことで、とても有難いです。主様の現状お忙しいのは理解致しました。ずっと待てますので今後ともよろしくお願い致します。 (9月22日 12時) (レス) @page35 id: 523c246767 (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - えのきたけさん» 承知致しました。ベッターの基準が開放されるまで待たなければならないということですね！ 色々と聞いてしまいすみませんでした！回答ありがとうございます！ (9月14日 14時) (レス) id: 7cc8c83ca9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えのきたけ
| 作成日時：2022年6月26日 19時
