#思い出を胸に歩き出すよ。 ページ23
*
ab
久しく使っていなかった鍵を使って中に入ると、
ほとんど変わってなくて、どこか懐かしい香りがする。
「あ、亮平おかえり〜!!」
ab「うおっ、、ただいま、、」
「亮平おかえり、長旅疲れただろ?荷物持つぞ。」
ab「お父さん、ありがとう。」
シェアハウス内で年に数回ある実家帰省期間。
この期間はみんな実家に戻って家族の時間を楽しむ。
俺も大学入ってから初めてちゃんと帰ってきた。
いつも少し寄る程度だったから、、
「亮平がお泊まりでって言うから、お母さん張りきって沢山作っちゃった。笑」
「ほんとだぞ、作りすぎだって言っても亮平にはまだ足りない!!なんて言って。笑」
シェアハウスのみんなとは違う温もり。
長年俺を包み込んでいた温もりはやっぱり落ち着く。
「何玄関で泣いてるの、早く上がっておいで。笑」
ab「うん、、!」
無意識のうちにこぼれる涙を拭って、
大好きな家族の元に帰ってきた。
ソファにぼふっと座りスマホを開くと、
グループメールに大量の通知が。
sk『あれ、阿部ちゃんお家ついたかな?』
fk『おーい、見てる〜?』
dt『もしかして迷子になった?』
nb『阿部ちゃんに限ってそれは無い。』
iw『意外とあいつ方向音痴だぞ。笑』
俺抜きで言いたい放題言って、
ワイワイ騒いでるけど迷子にならずに着いてますよ。
ab『ごめん、今見た。ちゃんと帰れたよ、心配かけてごめんね。』
そう打ち込んで送信しようとしたけど、
ササッと消して心配してくれてありがとう。と書き直す。
ごめんじゃなくて、ありがとうって伝えないとね。
送信してすぐにみんな既読が着いて、
ゆっくり休んで、たのしんでね!と返信が。
スタンプを返して今はスマホのことは忘れようとテーブルに置く。
それと同時にぐぅっとお腹が鳴いて、
うれしそうにお母さんがテーブルにおかずを並べる。
大好きだったお母さんのご飯、
いつも俺に元気をくれた美味しいご飯。
「ほらほら、亮平が大好きなカレー!昨日から作ったから美味しいに違いないよ!」
「お母さんのカレー、、久しぶりだ、、」
「温かいうちが美味いぞ、ちゃんとチーズも用意したからな。」
久しぶりに3人で囲む食卓。
昔のようにくだらない話で盛り上がって、
笑顔の絶えなかったご飯の時間。
受験生時代、唯一の両親との触れ合いだったこの時間。
俺はずっと、このたった30分程度の時間に支えられたんだ。
そう改めて思うと、再び勝手に涙がこぼれ落ちた。
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雪花(プロフ) - 合ってるかな?って思っても開かなくて。 (10月1日 16時) (レス) id: 1656283d02 (このIDを非表示/違反報告)
えのきたけ(プロフ) - 雪花さん» 開けますが、何か問題が発生しておりますでしょうか? (10月1日 14時) (レス) id: 1afea4884b (このIDを非表示/違反報告)
雪花(プロフ) - 白衣の彼は、保健室の守り神。あれパスワード開けるんですか? (10月1日 13時) (レス) id: 1656283d02 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしゅう(プロフ) - はじめまして。作品読ませていただいてて、ベッターへの登録がうまくいかずだったので、こちらも残して、更新もしていただける意向とのことで、とても有難いです。主様の現状お忙しいのは理解致しました。ずっと待てますので今後ともよろしくお願い致します。 (9月22日 12時) (レス) @page35 id: 523c246767 (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - えのきたけさん» 承知致しました。ベッターの基準が開放されるまで待たなければならないということですね! 色々と聞いてしまいすみませんでした!回答ありがとうございます! (9月14日 14時) (レス) id: 7cc8c83ca9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えのきたけ | 作成日時:2022年6月26日 19時