#君がこの胸にくれたぬくもり。 ページ21
*
ab
目的地のバス停でバスを降りて、
自動ドアを潜り受付に向かう。
「はい、問診票と体温。いつものとこで血圧も計ってきてね。」
体温計と問診票を受け取り、
血圧計に腕を突っ込んで血圧を測る。
結果を問診票に書き入れて、
待合室のソファに座って残りも書く。
あ、住所変わったんだった、、
全て記入したら受付のボックスに入れて、
呼ばれるまでしばしの待ち時間。
眠気を誘ってくるあの音楽にウトウトしながら、
なんとか眠気を耐えて呼ばれるのを待つ。
「12番の方、第三診察室にどうぞ。」
自分の持ってる番号札が呼ばれて、
診察室に入ればいつもの優しい顔の先生。
「お、久しぶりだね。亮平。」
ab「お久しぶりです、」
俺が初めてここに来た時から、
ずっと担当医として診てくれてる先生。
あの時はまだ若い先生の類だったのに、
今じゃベテランのおじいちゃん先生の仲間入り。
「あれ、住所変わったんだ。引っ越したの?」
問診票に書いた住所がいつもと違うことに気づいて、
引越し先どんな所〜?と食い気味に聞いてくる。
ab「その、大学で友達が出来て、シェアハウスに誘われて、、」
「それで、今はその子たちと暮らしてる。と。」
ab「うん、、」
小さめに頷くとそれにすら先生は気づいて、
嬉しそうにパソコンをパチパチと音を鳴らす。
「そっかぁ、でも、亮平前より明るく見える。」
ab「そうですか、、、?」
「うん、そんだけ素敵な子達に出会えたんだね。」
いつか、先生にも紹介してね?と微笑んでくれて、
あぁ、俺の選択は間違ってなかったんだ。とやっと受け入れられた。
「みんなには、過去のこととかは話したの?」
ab「えっと、、過去のことを少しだけ、、」
「じゃあ、そのことは話してない感じ?」
そう言って指さしてきたのは、
秋になったから見せるのことが減った手首。
やっぱり、先生に隠し事なんて何も出来ない。
ab「話せないし、辞められない自分も嫌い、、」
「話せないのは、みんなに嫌われるかもしれないから?」
ab「もう、、昔みたいにはなりたくない、、」
友達なんて居なかった俺でも、
少し世間話をするような子はいた。
精神科に入院してから避けられるようになった。
だから、もしかしたらみんなも、って、、
「そっか、、それもそうだよね、突然避けられるって先生でも嫌だから。」
俺の気持ちを否定しない先生は優しかった。
どんなに小さなことでも、受け止めてくれる。
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雪花(プロフ) - 合ってるかな?って思っても開かなくて。 (10月1日 16時) (レス) id: 1656283d02 (このIDを非表示/違反報告)
えのきたけ(プロフ) - 雪花さん» 開けますが、何か問題が発生しておりますでしょうか? (10月1日 14時) (レス) id: 1afea4884b (このIDを非表示/違反報告)
雪花(プロフ) - 白衣の彼は、保健室の守り神。あれパスワード開けるんですか? (10月1日 13時) (レス) id: 1656283d02 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしゅう(プロフ) - はじめまして。作品読ませていただいてて、ベッターへの登録がうまくいかずだったので、こちらも残して、更新もしていただける意向とのことで、とても有難いです。主様の現状お忙しいのは理解致しました。ずっと待てますので今後ともよろしくお願い致します。 (9月22日 12時) (レス) @page35 id: 523c246767 (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - えのきたけさん» 承知致しました。ベッターの基準が開放されるまで待たなければならないということですね! 色々と聞いてしまいすみませんでした!回答ありがとうございます! (9月14日 14時) (レス) id: 7cc8c83ca9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えのきたけ | 作成日時:2022年6月26日 19時