放課後の生徒会室 (ページ8)

今日:19 hit、昨日:29 hit、合計:45,277 hit

. ページ8

瑠姫side

瑠姫「おいおいAも純喜も早く覚えろよ～

俺のことどんだけ待たせんだよ」

そういうと、

キッと大きな瞳が俺を睨む。

俺の大好きな顔。

華奢で小柄なA。

大きな瞳に白い肌、

ツヤツヤの黒髪ストレートヘアを

ポニーテールにして、

暑いのかシャツの袖を捲り上げている。

どれも綺麗なAにハマって、

まるでドラマのワンシーンを見ているようだ。

Aとは、小学校の頃から一緒で、

初めて見た時からの

「一目惚れ」

中学に上がってから、

Aの可愛さに気付いた男たちが、

仕切りにAに絡んできて、

その度にAに気付かれないように

男たちを追い払ってきた。

Aは、昔から不器用なところがあって、

勉強だって、成績は良いけれど、

結果を出すために毎日予習復習を欠かさないし、

宿題は絶対に忘れない。

運動音痴だけど、

体育のテスト前は俺に教えて！って

手に豆ができるくらいに、

バスケットボールのシュートを練習していたの知ってる。

知れば知るほど愛おしくて、

だけど素直になれなくて、

そんな俺の気も知らないで、

「瑠姫が私のこと1番わかってるから」って

世界で1番綺麗に笑うから、

高校3年生になった今でも、

Aの横で、良き理解者、良き幼馴染を演じ続けてる。

何度も好きって言葉が喉まで出てきたことはある。

なのに今日まで、結局その言葉を言えず、

言えないことでどんどん気持ちだけが大きくなって、

結局、一番伝えたい言葉を言えずに、

憎まれ口しかたたけない。

ダサいってわかってる。

俺だって、告白してくれる女の子が

山ほどいて、

ファンクラブがある位、正直めちゃくちゃモテる。

何でもそれなりに器用にできるし、

女の子をその気にさせるのだって

難しいことじゃない。

はず。

なのに、

ある時からAの1番近くにいるのに、

Aの瞳にうつってるのは、

俺じゃないってわかった。

ずっと一緒にいすぎたから、

いやでもわかる。

気付かないようにしても痛いほどにわかる。

純喜「瑠姫はほんま器用で羨ましいわ」

悔しそうにそう言う純喜を見て、

瑠姫「俺こそ、お前が羨ましい」

純喜は、また嫌味やめろや～って

半泣きになっているが、

お前と代わりたいって

心から思ってるから、俺。