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でも時々、類のことをたくさん話してると少しだけ瞳が悲しそうに揺ぐ。
寂しそうに笑うお母さまは


「……あなたは自分に正直に生きるのよ」


そう言いながら、僕の頭を優しく撫でる。
僕はよくわからなかったけど、うん!と返事をした。


それから1週間後お母さまは亡くなった。
最後の瞬間も父さんは来なかった。
父さんに何度も電話をかけた。
お母さまが、息を引き取った後かかってきた父さんからの着信。


「………そうか」


そう一言いい切れた電話。


お母さまの寂しそうな目。
僕は最後の瞬間までずっと笑顔で、話しかけていた。


プープープー


切れた電話の音を聞きながら、
膝を抱えてひどく泣いた。
大好きな大好きなお母さま。


お母さまがいなくなった今、僕はひどく孤独を感じた。一刻も早く類に会いたかった。
僕に笑いかけてほしい、僕を必要としてほしかった。



そっからいろいろと慌ただしかった。
そしてやっとのこと幼稚舎に行った時、


類の隣には静がいた。


静に笑いかけてる類を見たとき、俺の中の何かがガラガラと崩れ落ちていった。


俺に気づいた類がパァー!っと笑顔になって俺のもとへ駆け出そうとしていたけど、俺はその場から去った。

来た方向へ移動転換して夢中で走った。


類「!?ッAーーー……」


類の声が聞こえた気がしたけど、振り返らなかった。
そっから、ずっと幼稚舎を休んだ。
部屋からも出なかった。
みんな、お母さまがお空に行っちゃったから悲しんでいるんだろうと特に咎められはしなかった。


類が体調を崩したと連絡があった。


それを聞いた僕はゾクリと鳥肌が立って、気づいたら類の家の前に立っていた。


門の前でふらふらしていたら、門番の人が気付いて中に入れてくれた。


そっから、とんとん拍子に類の部屋の前にいた。
そわそわしながら、お気に入りのぬいぐるみを持ってくればよかったと後悔していた。


そーっと、扉を開けて覗くと類がベットで眠っているのがわかった。
規則正しく布団が上下に揺れる。


類を起こさないように、つま先立ちでコソコソ入って類を顔を覗き込む。


おでこには冷たいタオルがのっかっていて、
白い肌が少し熱ってて汗もかいていた。


―――――――――
 
次でラストです!

5→←3



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kyon(プロフ) - できれば、書いて欲しいです!お願いします! 気長に待ってます!!!!! (2022年4月8日 0時) (レス) id: 4c7b7e98e3 (このIDを非表示/違反報告)
kyon(プロフ) - 完結お疲れ様です!花のち晴れあんまり書けないとおしゃっていたと思うんですが、書いて欲しい欲が出てしまっています!  (2022年4月8日 0時) (レス) @page23 id: 4c7b7e98e3 (このIDを非表示/違反報告)
悠人(プロフ) - Chocoさん» ありがとうございます‼︎😭 こんな長い章を一気読み⁉︎ 集中力がすごい……、番外編のデータが消えて落ち込んでた作者ですが頑張って書いてみます‼︎ なんて嬉しいお言葉…他界隈ですが是非是非お待ちしております🥰 (2022年2月19日 15時) (レス) id: 3b4c229fc2 (このIDを非表示/違反報告)
Choco(プロフ) - 完結おめでとうございます!ここまで一気に読んでしまったのですが涙ドバドバだしきゅんきゅん止まらないし感情がジェットコースターでした(?)番外編の続きも気長に楽しく待っております。作者様の書き方好きなので他の作品にも是非お邪魔させていただきますね(*^^*) (2022年2月19日 1時) (レス) @page22 id: a503f63cd6 (このIDを非表示/違反報告)
悠人(プロフ) - ぶどうジュースさん» よかったです!! 自分で書いてて口調迷子で幼少期?ってなりますが、時系列は幼少期ですので…TT また何かあればコメントにどしどし送ってください^ ^ リクエストありがとうございました! (2020年7月22日 7時) (レス) id: ee6908fc0d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:悠人 | 作成日時:2019年10月2日 13時

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