【花より男子】花沢類の幼馴染 12(男主)

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牧野said


卒業生を送るプロム…ドレス買わないと。
……だめだ。頭が混乱して何も考えられない。
お父さんが倒れて後継の道明寺が行かなくちゃいけないのはわかってる。


「あーもう、やる気ない。
F5が卒業しちゃうなんて信じらんないよー」


「超ショック立ち直れない」


「プロムどうする？
そろそろ服買わなくちゃ。」


でも4年も？離れて暮らすの？
その不安を解消するのに、なんで結婚なの？

わかんないよ。
高校生なんだよ？あたし。

音楽室の前を通る。
綺麗なバイオリンの音が聞こえてきた。
もしかして


「お」


牧「あ…びっくりした。珍しいね、音楽室に」


「あー、暇だった」


牧「暇なら授業うければいいのに」


「俺らは授業必要ないし。な、類」


類「あーー、必要な事はガキの頃から叩き込まれてるからな」


「司みてーに授業出といた方がいいんじゃねって奴もいるけど、司はあれでもう完成形だし」


牧「ふーん。あたしにはわからないわ…。
でも、なんか懐かしい。前もここで花沢類のバイオリン聞いたよね」


類「そうだっけ」


牧「そーよ、すっごい怖い顔されて怒られた。
あの時は続きを聞かせてもらえなかったんだよ。ね、あの曲弾いて」


類「なんだろ、忘れた」


「あれじゃねーの。必ず最初に弾くエチュードとか」


♪〜♬〜〜♪〜


牧「あ…この曲」


類「だめだな。学校のは安物で音悪い」


懐かしい…。
あの頃は花沢類が好きで、道明寺は私の天敵だった。


類「牧野。司のこと、わかってやって」


「あいつは嘘をついたわけじゃない。
俺たちはやっぱJr.だからこういうことが決められた運命にある」


類「もし俺でも司の立場になったら行くよ」


牧「うん。わかってる。
ただちょっと、びっくりしちゃって。
ほら、今まで何度もあいつNYに行くって行ってたでしょ。そのたび帰ってきて、今回あいつが初めて自分で決めたことだったから……本当に行っちゃうんだなって、思ったら……びっくり」


道明寺がいなくなる。
ほんとうにいなくなっちゃう。


どんどんこぼれ落ちる涙。
止まらなくてAさんと花沢類を困らせてしまった。

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