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あれから総二郎とあきらがうるさいから、思い切ってあるモノをつくり、持って行くことにした。
会話のきっかけにもなるかな。
類のお見舞いもそんなに行ってなかったのは、ほんとはあの類の瞳に耐えられるだけの時間が欲しかったから。
類の病室の扉の前に立つ。……緊張する。
なんで毎回類に会うのに緊張しなきゃならないんだ。
高鳴る鼓動と共に腕を上げ扉を叩く。
コンコン
シーン
「……いないのか?」
入るぞー…と、声をかけ恐る恐る開けると、ベットがこんもり膨らんでいた。
うわ…寝てる。
寝顔見るなんてほんと、久しぶりだ。
ちょっと前までは毎日見てたのに。
へんな感じ。
その寝顔は穏やかで、スースー寝息をたてている。
「どんな夢みてんだ」
夢の中に俺は出てくる?
「前にお弁当つくって来た時、すげえ喜んでくれたからまたつくってみた。ここ置いとくから。……おまじないしとこ」
一人で語りかけてる俺はきっと側から見たらおかしい人だ。
無理に思い出さなくていいなんて、でも本心を言ったら、そりゃ、早く思い出して欲しい。
AAAAAAと呪文のように耳元で囁く。
こんな寝顔を見ると、あの時刺されて、生きてくれていて良かったと本当に思う。
記憶がないなんてそんなことに比べれば、たいしたことじゃないんだ。
少し前が明るく見えた気がした。
「俺も努力するからさ。類も頑張ってくれよ」
そう言って出ていった俺は気づかなかった。
入れ違いに海ちゃんが入って行ったのを。
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悠人(プロフ) - レイナ丸さん» ありがとうございますTT なんて最高級な褒め言葉なんだ!! (2019年7月3日 0時) (レス) id: 64b118ada9 (このIDを非表示/違反報告)
悠人(プロフ) - クロりんごさん» 全く同意です(・・;) (2019年7月3日 0時) (レス) id: 64b118ada9 (このIDを非表示/違反報告)
悠人(プロフ) - みかんちゃんさん» コソッ(・Д・)ノ[続編] (2019年7月3日 0時) (レス) id: 64b118ada9 (このIDを非表示/違反報告)
レイナ丸(プロフ) - 海ちゃん、きみは全読者を敵に回した。そして作者様貴方もこんな素敵な作品を作るだなんて罪な人!更新楽しみです!カバディしながら待ちますね!! (2019年7月2日 15時) (レス) id: 0d2b714c98 (このIDを非表示/違反報告)
クロりんご(プロフ) - やっぱ海ちゃん性悪だなぁ……ひええええ (2019年7月2日 14時) (レス) id: 738c9471c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠人 | 作成日時:2019年5月5日 20時