【花より男子】花沢類の幼馴染 10(男主) (ページ3)

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だけど、その手が不意に離された。

「……類？」

一瞬見えたその横顔をとても焦っているようだった。
俺は咄嗟に類の背を追いかけた。

人混みをかき分け次の瞬間見えたのは、司の驚いた顔と滴る血。

見たくない。そう思った。
脳に響くように警報がなる。

類？

類が膝をついている。
うつむいて表情は見えない。
あの血はなんだ？…….類？
頭がキャパオーバーしたように、真っ白になる。
類の体がぐらりと後ろに倒れても、俺の足は一歩も動けなかった。

瞬時に振り返った司は類を掴み支えた。
司の叫ぶ声がきこえる。

血？

司「類ッ⁉」

マ「撮れ撮れっ！スクープだっ」

マ「カメラ回せ‼」

美「どけってッ‼」

俺は類に近づくカメラに地面に叩きつけた。
なにも考えてなかった。
ただ……

マ「あ…あーーーっ‼」

早く、早く、連れて行かないと。病院に。

「どけよ」

類が…死んじゃう

類『A』

目を細めて優しく笑う類が脳裏に浮かんだ。

「道を開けろっていってんだよッッ‼‼」

『本日正午頃、花沢物産長男類さんが何者かによってナイフで刺されました。
目撃者によると道明寺財閥長男司さんをかばって刺されたようです。
犯人はその場で取り押さえられる、警察で厳しく追求しています。

類さんは主治医の元に運ばれ依然意識不明の重体です』

美「長いな……まだICUから何も連絡ないのか」

司「ああ」

総「滋、もう泣くな。おまえのせいじゃねーよ」

滋「ごめんね。A、ごめんなさい」

牧「シゲルさん……」

総「大丈夫だよ。類は。Aから離れないって約束してんだ。
それに、昔っからあいつの世界はAを中心にまわってっから……」

美「そうだな。あいつに限ってAを悲しませるよーなこと、置いてく様なまねはするわけねーよ」

みんなが励まし、話しかけてくれるのはわかる。
俺が今、笑ってるのか、泣いてるのかもわからなかった。
ただ、俺の頭の中で俺は類の体から滴る血。
離れる手。
目を閉ざした類。
顔色から血の気がひき、死んだように眠った

類の映像が何度も何度も繰り返されて流されるばかりで、不安で心が張り裂けそうな感覚しかなかった。