【花より男子】花沢類の幼馴染 10(男主) (ページ18)

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海「あの、Aさん。あたしが類と仲良くするの嫌？
なんかあたし、あーいう人放って置けなくて。
あっ、でも大丈夫‼
全然、そんなんじゃないから‼
大丈夫だからねっ！思い出すように協力するから」

「ねー、海。花瓶どこ？
花いけるから

海「あ、今行くからまって！
またね！Aさん」

あ…。
『みんな、海のこと好きになっちゃうのよね』

類に限ってそんなこと…、あるわ、け、ないよな？

正直嫌だけど、そんなこと言えるわけないじゃないか。
類は俺のこと忘れてるのに。

それから司も見つからず、気分もはれず、一足早く帰ることにした。
迎えにきてくれた斎藤さんの車に乗り込む。

「類は元気だったよ」.

「A坊ちゃんの事は思い出したり…」

「なかなか」

「…そうですか。だからそんなに暗い表情されてるんですか？」

「んー…、それだけではないな」

「他に何か？」

「なんか、難しい。類にどう接していいかわからないんだ。類が別人みたいで…、あんな目で見られたことなかったから」

「あんな目とは？」

あの冷たい瞳を思い出す。

「…何も写してないような、興味ない、すごく冷たい目」

「それはまた…」

本当に今日は色々あった。
何より、『あれか？この人？毎日来てうざいんだよね。ほんと』指さされ放たれた言葉が重くのしかかる。

うざい…か。
俺が…、いまの類にとって知らない奴が毎日来るのは、うざくて、余計混乱させるだけなのか。
どうしたらいいのか…、何が正しいのか。

「………、？…ぃ、？」

『これから、それを埋めてけばいいよ！人生のリセットだと思ってさ！』

人生のリセット？
このままリセットされてしまうのか。
俺の存在が。恋人から他人に変換されたことに、心がついていかない。

「……A坊ちゃん！！」

「ッ‼、あ、なに？」

「……何度も呼んだんですよ？大丈夫ですか？顔色が悪いですよ。体調が優れないのでしたら…」

「いや大丈夫。ごめん。心配かけた」

いつのまにか路肩に止められていた車。
俺の肩を掴み覗き込む斎藤の顔は心配そうに目尻が下がっている。

「……無理なさらないでくださいね」

「うん。早く帰ろう」

エンジンがかかり。発進する。
今は何も、考えたくない。

車が家に近づくと、見慣れたシルエットが立っているのが見えた。

司「よっ」

着くと家の前に司がいた。