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壊れた ページ3

「は?司のおふくろがNYに発った?」


「はい。先ほど」


凄く嫌な予感がした。


「行かなくちゃ……」


「…ッA坊ちゃん⁉お待ちくださっ」


何で今、こんな事を思い出すんだろう。
それはずっーと前、牧野と出会う前のお話。


『インスタント飲んでみたかったんだよなー』


『『うえ、まずっ』』


類『なんの粉だこれ?』


『泥でも入ってんじゃねーの?』


類『でもさー、これが普通なんだろうね。
俺らが住んでる世界がちょっと変わってて、ここを歩く大多数の人達にとっては全然フツーなんだよ』


なるほどなぁと思った。
きっと俺には理解できない世界。
理解しようともしなかった。
気にすることもなかった世界。

なのに……あぁ、最悪だ。



嫌だ。こんなの嫌だよ、類。



ーーーーーー


道明寺said



牧「…あたしもうあんたとは付き合えない」


司「ーーーーなに言ってんだおまえ」


掴もうとした手を牧野が払う。


牧「あんたの家も今日出て行く」


司「ちょっと待て。おまえ相当おかしいぞ。
なんでそうなるんだよ。
今日の昼間、一緒にうさぎ屋行ってゲーセン行ったよな?
…………ッ言えよ‼なんでこうなるんだよっ。
そんなこと急に言われて納得できるか⁉
言えっ!!!!!」


牧「…道明寺のお母さんが別れなきゃ和’也くんと優紀の父親をクビにするって…」


は……?
頭が理解するよりも先に体が動く。
駆け出そうとした俺に牧野はしがみつき、叫んだ。


牧「もう決めたの!!!もう道明寺家とは一切関わりを持たないって!!!!」


なんだよ…それッ


司「…………」


体が、心が冷え切っていくような感覚。


牧「……もう、決めたの。二度と近づかないって」


司「……なぁ、納得できねぇよ。
そんな理由があっていいのかよ。なあ。そんなの…ありかよ…?」


そんな俺の問いかけに答えないまま、牧野は俺から離れた。


司「牧野。おまえは俺を1人の男として見たことあるか?俺の家や母親全部とっぱらって、ただの男として見たことが一度だってあるか?」


背を向けたままの牧野は俺を見ない。


牧「もしあんたを好きだったら、こんなふうに出て行かない……………さよなら」



遠ざかっていく足音。
どしゃ降りの雨は俺の体温を奪っていく。



パキンッ
俺の中の何かが壊れた気がした。

牧野said→←急降下



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悠人(プロフ) - なるさん» わーー!!よかったです!!Rタグ付いてしまったのでもしかしたらコメントも見れないかもとドキドキしてました(~_~;)一気に…だいぶ長編なのにありがとうございます^ ^ カラットさんですか!確実に趣味が合いますねㅋㅋ楽しんでいただけると嬉しいです! (6月12日 23時) (レス) id: b1a7650ccc (このIDを非表示/違反報告)
なる - 悠人さん» 別端末から失礼します!わざわざリンクを貼っていただきありがとうございます!見れるようになったので一気読みしました!海ちゃんのところは自分も胸が痛くなりました…!悠人さん最高の作品をありがとうございます!セブチも好きなので読みます! (6月11日 22時) (レス) id: 984f7da6fe (このIDを非表示/違反報告)
悠人(プロフ) - なるさん» トップにリンク貼りました!Rタグで見れてない可能性もあるのでRでも閲覧出来るようになってるか確認をお願いいたします^ ^ (6月11日 17時) (レス) id: b1a7650ccc (このIDを非表示/違反報告)
なる - 一話どこにありますか、、! (6月10日 12時) (レス) @page3 id: 0a7ce356e9 (このIDを非表示/違反報告)
賢志郎(りん)(プロフ) - 1話がどこにもない (2020年3月28日 15時) (レス) id: 66de5526d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:悠人 | 作成日時:2018年10月7日 8時

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