ホンキのコイ【縁下力】 (ページ15)

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15.ケンカとホンネページ15

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「完全に怒らせたな」

あれから花岡さんは一人で帰ってしまった。
連絡の返信もなければ、いつもみたいに会いにもこない。

「縁下、Aちゃんと喧嘩したの？」

成田が心配そうに聞いてくる。

「ケンカはしてないけど、怒らせたかも」

しかし、わからない子だな。
普段は自分からベタベタとくっついてくる癖に。
そんなに怒らなくても……。
大体木下にセクハラ発言されても笑って流してたじゃん…それくらいの度量はあるんじゃないのか。

マジでまったく連絡もしてこない花岡さんに、少し苛立っていた。
もういいさ……これで終わり。
元々別に好きとか、タイプなわけじゃないし。
いつも通りに戻っただけだ。
けど……何でだろう。
心にポカンと穴が開いた感覚。
花岡さんに会えなくて、少し寂しい。
これでも情がうつってたのかな。

部活へ向かうと、木下が俺と成田の元へ走ってきた。

「大変だよ！夏祭りんときのAちゃんの元カレが来てて、Aちゃんとモメてる！」

それを聞き、俺はその現場へ向かった。

「俺ともう一回付き合ってくれよ。中学のときのことは俺が悪かった。今度はもっと大事にするから……」

「ごめんなさい。私、好きな人がいるから…」

二人は俺に気づいて話を止めた。

「こいつ……祭りんときの。Aの彼氏なのか！？」

元カレが俺を指差して花岡さんに聞く。

「彼氏じゃないよ……でも私の好きな人だよ」

花岡さんはそう、言い切った。
なんだよ。相も変わらず。
そんな風に俺のこと、思ってるのか。