ホンキのコイ【縁下力】 (ページ13)

今日:18 hit、昨日:7 hit、合計:30,946 hit

13.本気のホンキページ13

.

練習後。俺はまた深くため息をついた。

「どうしたー？縁下？」

木下がため息に気づいて声をかけてくる。

「いやまた花岡さん待ってるんだろうなぁと思うと………」

「お前なんでAちゃんじゃダメなのー？可愛いじゃん。お前が付き合わないんなら俺アタックしてみようかな」

「それはもう…ご自由にどうぞ………」

結局、また2年生皆で下校する。

「ねーねーAちゃん、縁下は諦めて俺とかにしたらどうー？」

木下は明るく花岡さんにアタックする。

「え！！何それ！！！木下抜け駆けズルいんだけど！！！」

成田までもか………。お前最初チャラいとか言ってたじゃねえか。

「あははっ。でも私力くんのことが大好きだから！」

さらっと返した言葉に。
俺の心臓が激しく鳴る。
耳に………タコだよ。
聞きあきた言葉のはずなのに。

「なんだよ力、赤くなってんじゃん！」

西谷がめざとく俺の表情の変化に気づく。
バカの一つ覚えみたいに
俺のことが好きだって言って。
いつの間にかそれが当たり前になっていたけど
彼女の本心なんだ。
からかってるわけでも、ふざけてるわけでもない。
本気なんだ。

「えー！じゃあせめて俺の童貞貰って！Aちゃん！」

「おい、木下！流石にそのセクハラ発言は俺らが怒るぞ！」

田中と西谷が木下を羽交い締めにした。
俺、本気で彼女のこと考えないといけないな。
今までみたいに流してちゃ、ダメだ。

「ねえ、力くん。日曜日デートしようよ！」

こんな言葉も耳にタコ。
いつもは嫌だって流してた。

「いいよ。たまには……二人で出掛けようか」

いつもしつこく誘ってくるくせに。
断られたって笑ってるくせに。
俺がそう返事するだけで、なんでそんなに真っ赤になって黙っちゃうんだよ。