隣の縁下くん【縁下力】

番外編＿卒業 ページ39

卒業式。

「早いね。」

「うん。」

「力くんは、東京の大学に行くんだよね。」

「…Aは宮城のままか。」

離れちゃうことが判明。
いや、少し前から志望校が東京だって知っていたけど、でもやっぱり少し寂しい。

「A、結婚しようか。」

「…いいんじゃないですか？」


さらっと言われた言葉と、何となく予想がついていた私。
手のひらに納められた箱は、少し予想外だったけど。

「好きな人できたらすぐ捨てていいからね。」

「今は好きだから、大丈夫。」

ふわふわと笑って見せる。
こんなあっさりとしたプロポーズがあっていいものかと、少し拍子抜け。まぁまだ籍は入れないだろうけど…

「俺がしっかり、責任もってAを養えるようになったら、迎えに来るね。」

そう笑顔を見せる力くん。
その笑顔がもう、それはそれはかわいくてかっこよくて。…籍は入れないだろうとか、いつ結婚とか、そんなこと考えられなくなってしまって。私はただ頷くだけだった。



- 隣の縁下くん fin -

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