都会、東京 ページ14
「和澄、起きて。」
柔らかい貴方の声で目が覚める。
眠るときのように優しく、優しく、頭を撫でてくれた。最高の目覚めだ。おはよう。
外はもう明るくなっているし、片田舎の故郷とは違う景色。正に都会、東京という感じ。関東に来たのは初めてかもしれない。うちは親が忙しいからあまり旅行をしないのだ。故に東北から出たことはない。修学旅行なんかでもそんなに遠くは行かないしね。
「ん…おはよ。」
そんな考え事をしているうちに、目が覚めきって、挨拶を返せる。隣にいるスガさんはまだ寝ているようで、肩に重みを感じた。
「スガさん、ついたみたいですよ。」
緩く揺すって起こそうとすると、「んー…」と唸り声をあげながら体を起こす。おはよ、と笑顔を見せる彼はきっと寝覚めもいいんだろう。寝起きからすっかり爽やかだ。流石です…。
他の面々も起き始めたようで、よたよたと外に出る。やっぱり寝起きは辛い…。
どうやら、他校が駐車場まで迎えに来ていたようで赤いジャージがわらわらと集まっていた。
黒い鶏冠みたいな頭をした男の人が、話しかけてくる。どこかにやにや?した笑顔を浮かべていて、恐怖心がじわじわと込み上げてくる。背も高いし怖くても仕方ないと思う。
「キミが噂の臨時マネチャン??俺、黒尾鉄朗ね。音駒って学校の主将。ヨロシク〜」
そう言って握手を求めてくる黒尾さんの手を恐る恐る握り、「二年の和澄Aです…よろしくおねがいします、」と小さく述べる。Aチャンね、とどこか胡散臭い笑みを浮かべる黒尾さんはスガさんとは真逆だった。怖い。
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桜餅(プロフ) - 素敵な作品でした、縁下くん罪な男ですね。 (2021年4月5日 17時) (レス) id: 7911da50c3 (このIDを非表示/違反報告)
朱音 - 縁の下くん私も好きです!更新頑張ってください! (2019年11月9日 16時) (レス) id: 3635743cb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コンタクトるり江 | 作成日時:2019年10月28日 21時