慧眼と金塊 5

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悲痛な声から逃げようとするたびに



恨みが

憎しみが

呪いが身を蝕んでいく






非人道的な実験

蘆屋家の家紋



幸せになるはずだった者たちの声が
ずっと、ずっと耳の奥で鳴り響く




返せ と
呪ってやる と





『ねぇさん』


『『A』』



振り向けば両親と弟が立っている



これは夢だ

夢だ夢だと祈るように口に出す




『苦しみからは逃げられない』


父


『ずっと呪われ生きていく』


母


『苦しい？ねえさん』



苦しい
苦しいに決まっている




『そうだよね、苦しいよね




でも、ねえさんに殺された僕たちも
苦しかったよ』





ズブリ



身体が沈んでいく


お願い、おいて行かないで




私もそこへ(地獄)連れて行って
お願い





『でも、それはまだだから

だから僕は‘’それ‘’を許すよ』






優しい弟の声を後に
私の体はトップリと闇に落ちて行った

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