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1920年
それは第二次世界大戦がはじまる19年前のこと
この時の蘆屋家の次期当主は
天与呪縛によって呪力のない蘆屋義弘様でした
義弘様には姉と兄がおりました
しかし姉は
呪霊の子を孕む特異体質により家から飛び出し
消息は不明
兄は呪力こそありましたが
身体が貧弱ですぐに亡くなられました
故に義弘様が当主になるのは必然的でした
しかし義弘様は陸軍に出兵し
呪術師としての活動をしておりませんでした
そんな蘆屋家は当然のごとく
‘’落ちこぼれ‘’と言われていくようになりました
そんな中、そのレッテルを剥そうと
蘆屋家の血筋の者が立ち上がりました
それが事件の発端を作った
‘’蘆屋信幸‘’様です
信幸様は裏で陸軍将校と手を組み
ある実験を進めていました
その実験こそ、五条様がおっしゃった
人体実験でございます
実験は今の東京 八王子にある地下壕で
行われていたと記録が残っておりました
今は全ての証拠を
上の者に取り上げられてしまいましたが・・
実験の内容はこうです
簡潔に言えば生きたまま女の首を斬り
頭と手足を切り落とした男の身体にくっつけ
その身体に強い呪力が宿った呪具を付け、
呪霊を憑依させる、というものでございます
作ろうとしていたのです
祓われるその時まで動きつづける
これを完成させ戦争にくりだせば
日本は勝てる
そう思ったのでしょうね
この実験には 加茂憲倫も関わっていました
いえ・・・
表では蘆屋信幸様と陸軍将校 本堂獅子が中心となって
やっていたそうですが
本当は加茂憲倫が中心となってやっていたのでしょう
でなければこの呪形は
‘’完成しなかったでしょうから‘’
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作者名:ミンミンゼミ | 作成日時:2021年4月1日 22時