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148* ページ15

地下は四方八方に道が続いており


所々、床には血の跡
がべったりとくっついている


壁には手をつきながら這いずっていたのだろうか
血の手形が横に伸びている



壊れた扉から見える部屋の中には
血はもちろんのこと

ベッドや散乱した注射器、
そのまま放置されたのであろう、骨も見えた




「みんな、きっと死んでしまったのね
恨みのある奴が

生きて誰かを逃がすなんてこと

私だったらしないもの」



弱々しいあかねの声は
軍歌によってかき消される




呪霊のいるであろう方へ
進んで行くと





「うっ!!」



「どうしたっ、」





あかねがうずくまってしまった




「て・・・手が・・!」



あかねの手のひらからは
ポタリポタリと血が滴っている



「印が、喰いこんでるのか」


「イ、イたいぃぃぃ!!!」



その叫びに応えるかのように
カチャン カチャン と音が聞こえる






「 出てきたね 」






【繧、繧ソ繧、繝】

【繝ッ繧ォ繝ォ?】




女の頭部に男の身体

腕と足だった所には呪具



言われていた呪霊だろう



しかし




「頭2個生えてるなんて聞いてないんだけど」



ユラユラと揺れるその首には
枝のように別れた頭が2つ付いている



【縺雁燕繧ら李縺ソ縺ォ縺上ㇰ縺励ァ!】



読経のような唸り声が
辺りを震動させる




「困ったなぁ
何言ってるか分からないよ」



動けないあかねを後ろにやり
呪霊と向かい合う



今まで対峙してきた呪霊とは
全く違う気迫


特級呪霊だからではない






この地下壕で殺された
多くの人間の恨み辛みがこの呪霊・・・




呪形に集まっているからだ

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作者名:ミンミンゼミ | 作成日時:2021年4月1日 22時

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