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地下は四方八方に道が続いており
所々、床には血の跡
がべったりとくっついている
壁には手をつきながら這いずっていたのだろうか
血の手形が横に伸びている
壊れた扉から見える部屋の中には
血はもちろんのこと
ベッドや散乱した注射器、
そのまま放置されたのであろう、骨も見えた
「みんな、きっと死んでしまったのね
恨みのある奴が
生きて誰かを逃がすなんてこと
私だったらしないもの」
弱々しいあかねの声は
軍歌によってかき消される
呪霊のいるであろう方へ
進んで行くと
「うっ!!」
「どうしたっ、」
あかねがうずくまってしまった
「て・・・手が・・!」
あかねの手のひらからは
ポタリポタリと血が滴っている
「印が、喰いこんでるのか」
「イ、イたいぃぃぃ!!!」
その叫びに応えるかのように
カチャン カチャン と音が聞こえる
「 出てきたね 」
【繧、繧ソ繧、繝】
【繝ッ繧ォ繝ォ?】
女の頭部に男の身体
腕と足だった所には呪具
言われていた呪霊だろう
しかし
「頭2個生えてるなんて聞いてないんだけど」
ユラユラと揺れるその首には
枝のように別れた頭が2つ付いている
【縺雁燕繧ら李縺ソ縺ォ縺上ㇰ縺励ァ!】
読経のような唸り声が
辺りを震動させる
「困ったなぁ
何言ってるか分からないよ」
動けないあかねを後ろにやり
呪霊と向かい合う
今まで対峙してきた呪霊とは
全く違う気迫
特級呪霊だからではない
この地下壕で殺された
多くの人間の恨み辛みがこの呪霊・・・
呪形に集まっているからだ
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作者名:ミンミンゼミ | 作成日時:2021年4月1日 22時