慧眼と金塊 2

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私には3つ下の弟がいる

茶色のくせ毛に濃い緑色の瞳
誰にでも優しくて・・・


とても頼もしい、弟


それが‘’蘆屋 海 である






「姉さん！
今日はどちらへ？」


「今日は任務ないからなぁ
・・海は？暇？」


「午前中は訓練なので
午後からなら出かけられます！」



「・・・じゃぁ午後、門前集合ね」





弟は私よりも
あれよこれよと大切に育てられてきた


(理由は瞳だ


五条家から六眼が生まれる前に
蘆屋家から五眼が2人も生まれた


慧眼と天眼
真実の瞳と未来の瞳


重宝されるのは
未来の見える‘’天眼‘’なのは当たり前のことである)




でも別に仲が悪かったわけじゃないし
弟は家を継ぐために親に、
私は家柄維持のための権力に縛られていた



だからお互い支え合ってきた




本当は弟には呪術師なんかには
なってほしくなかったし、家も継いでほしくなかった



でもそんな思いとは裏腹に
事は進んでいった





そして、決定的なことが起こる



五条家から六眼を持つ子供が生まれたのだ


しかも知覚・伝達などの生きるという行為を
強制的に無限に行わせることが可能な

‘’無下限呪術‘’の抱き合わせときた



蘆屋家は大騒ぎ
上からの圧力に五眼の私たちを盾にしてたけど
五条家のせいでそうもいかなくなった


昔から落ちこぼれの家だったのに
もっと落ちこぼれた


だから天眼を持つ海を当主にして
家を保とうとした





でも、海は頭首になんて向いてないのは
確実だった


聡明な海のことだ
自分でも分かっていたんだろう




親からの圧力
上からの圧力
周りからの期待


海の抱えていたものは
私が抱えている物よりもはるかに大きく、
重かったはずだ



私だって分かっていたはずだった





分かっていたはずなのに







「姉さん、僕に1級の任務が入ったんです
しっかりと勤めを果たしてまいります」





私は、死にゆく弟を止められなかった

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