慧眼と金塊 2

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ボタボタと落ちていく血


「Aっ！」



倒れていく私を杉元が支えてくれる




「ﾊｯ ﾊｯ」



息がきれる
肺にも血が入って
喉からゴロゴロと音が出る





「うん、良い線をいっていた
でも盲点だったな

私は‘’君のように‘’多くの術式を持っている
申し訳ないが君の運はここまでだ」




「ﾋｭｰ･･･ﾋｭｰ･･･」



「死ぬなっ！
A、死ぬなぁぁ！」




アシリパの声が鮮明に聞こえる
杉元の顔も、こっちに来る尾形の姿も鮮明に見える






とても、鮮明に






死に際で掴んだ呪力の核心


偶然でもなく、奇跡でもない





「A・・？」



アシリパの目には大粒の涙を浮かべている





でも、大丈夫




「なんだ、まだ動け＿＿＿＿＿」



ボロボロの腕を上げ
左の人差し指を天高く指す









「ハハ」









【術式反転 九炎手式 大日孁貴(オオヒルメノムチ) アマテラス】







ぴかり と赤い光が場を包み込み
気づけば辺りは焼け野原と化していた







(あぁ)





今 この場で一番強いという感覚
世界で私だけが存在している意義








‘’ 天上天下唯我独尊 ‘’






(なんて心地良い)





細めた目には
ひとつの狂気とひとつの愉悦を孕んでいた

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