慧眼と金塊 2

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「はぁ、はぁ・・」




気分が悪すぎる
簡単に言えばゲロリそうだ






(一旦整理しよう)




まず1つ目

杉元の言った
‘’のっぺらぼうを出し抜こうって魂胆かい？‘’



出し抜く、だなんて
前々からの知人だったかのような言い草だった


ということは土方は
網走監獄からの脱獄者の可能性が高い



まぁ、これは良いだろう





2つ目だ


土方がアシリパの言葉を遮ったことだ


‘’私の父はっ・・・！！！‘’





あんな遮り方、不自然だったし
アシリパのあの言い方だと

まるで自分の父がのっぺらぼうだと
言おうとしているようだったしな


私が尾形と行動している時に
なにかがあったはずだ





そして3つ目
これが本題といっても過言ではない




江渡貝という男は剥製者であり
加茂憲倫が呪術師と知らずに剥製の依頼を
受けた可能性が高い

だからただの‘’客‘’だ



でも、なぜ出来上がった剥製を
わざわざ取りに来る必要がある？

そこは分からないが
‘’出来上がり次第連絡 取りに来たる‘’


この文字通りにもう連絡していたとすれば
非常にまずい


いつこの江渡貝亭に来るかも分からない
こんな所直ぐに離れたほうがいい



東京から北海道までは
船だとおよそ2日間はかかる

しかし

遅かれ早かれここを出なければならない




【加茂憲倫】

呪術師として生きているのならば
1度でも聞いたことがあるだろう




史上最悪の呪術師 御三家の汚点

御三家の一つ、加茂家に生まれ
多くの呪術文化財を残した


だが目的のためには手段を選ばなかったと

そう、聞かされている





「ねぇ、Aちゃん・・？」



「っ？！」




顔を上げると白石と
見たことのない顔の男が立っていた

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