慧眼と金塊

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呪いに殺されるなんて
呪術師としてはいい最期だったのかもしれない




なんて思ってたのが約15分前



「さっっっっっむ！！！」



気づいたら雪の上で寝っ転がっていて？
なんなら目が覚めるのが遅くて
身体が少し霜焼けしていて痛い


「ここ何処だよ！！！
さっきまで廃校にいたよねっ！？
なんなんだよ！」


靴の中に雪が入ってくるせいで
指の感覚がなくなってきた



「はぁ・・・はぁ・・・」



死ぬ



呪いに殺されたと思ったら変なところで目が覚めて
状況が呑み込めないうえに
また死にかけてんの本当にウケる





「はぁ・・・・・ぁ？」



辺りをキョロキョロしていると
川辺の辺りに黒い、塊が見える



(なんだ？)


ジッと見つめると
頭のような・・足のようなものが見える



(人間だ！)


直ぐに駆け寄り身体を触るが

「つ、冷たい」


まさかこの川に入ってたのか！？
自 殺行為にもほどがある！


「おい！し、しっかりしろ！
息は・・あ、あるな！」


寒くて歯がｶﾞﾁﾝｶﾞﾁﾝと揺れる


「・・み、ふ、じ・・」


「喋るな！
体温が逃げる！」


男の腰についているバッグの中身を探るが
何にも入っていない


しかもこいつ、


(腕が折れてるっ！)



直ぐに男の服を引きちぎり
枝を腕に沿わせ引きちぎった服で縛り上げる


(くそっ、凍え死ぬのもごめんだし
目の前で凍え死なれるのもごめんだ！)

学ランを脱ぎ男の身体にかけ
ギュっと抱きしめる


「寒い寒い寒い寒い」


どんどん冷えていく男の身体を
抱きしめながらさすったり、
叩いたりして暖かくする

が、そう持たないであろう


(誰か、いないのか・・)


大声を出して助けを求めたほうがいいとは思うが
もうそんな体力もない


「や・・・・」




眠くなってきた

嫌だぞまじで




「こんな、死にざま・・・」





ぱったりと目を閉じてしまった

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