体育祭 ページ8
つ、ついにこの日がっ……。
十月。
楽しみにしていた人もいれば、憂鬱に感じていた人もいるかもしれないこの日。
そう。
『みなさん、十月になったとはいえ、まだ暑いので熱中症に十分気をつけながら
体育祭に励んでください』
体育祭!!
YJ「あたし達の出番はほとんど後半だね」
「え、そうなの?」
YJ「そなの?って……自分が出るものくらい確認しなよ?」
ユジンちゃんがあり得ないと言いたげな顔で私を見つめる。
緊張とか色々重なっちゃって確認する余裕がなかったんだもん……。
YJ「はぁ……そんなことより、今から彼氏、出るよ」
「えっ⁉︎本当に⁉︎どれどれ?」
YJ「本当に確認してなかったのね……借り物競走よ」
ユジンちゃんがそう言った瞬間、借り物競走の一人目が走り出した。
ジョンウォンくんは……あっ、いたっ!
近くに友達がいるのか、しゃがんで誰かと笑い合っている。
やっぱりかっこいいなぁ……。
そう思いながら見つめていると、
そんな気持ちが届いてしまったのか、こっちを見るジョンウォンくん。
「き、気づかれちゃった……」
YJ「いいじゃない、あつあつで」
「えぇっ……あっ」
恥ずかしさで頬を押さえていると、手を大きく振ってくれるジョンウォンくん。
私も、小さく振り返すと、嬉しそうにニコニコしてくれる。
YJ「ほら、やっぱりあつあつじゃない」
ユジンちゃんがそう言うのが聞こえたけど、たぶん顔がにやけているだろうから、
ユジンちゃんの方を向くことができない。
それどころか、目線も下げてしまう。
そうこうしているうちに、ジョンウォンくんが走り出す。
「ジョジョンウォン、くんっ、がんばってっ……!」
YJ「いや、チーム違うからね?」
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作者名:うぉんにゃん=^_^= | 作成日時:2023年10月1日 15時