戦うなと周囲の者たちが言う ページ3
「だいたい、陰陽師として死ぬ事は決して悪いことじゃないスけどね
死がソコにあるって言われたら戦わないのが懸命な判断スよ。」
夢生は元々体が弱いんスから。と勘久郎が言う。
確かに私は昔は体が弱かったが今はそうでもない。
年齢が上がるにつれ体も丈夫になっていくんだよ。
「···私は死ぬ事は怖くない。むしろずっと前から覚悟していた。陰陽師なんだ···
今更、死が怖いなどと言える立場ではないよ。」
「陰陽師でも死ぬ事が怖いっていう人がほとんどスけどね〜」
そこで私は言葉に迷ってしまう。
私が思うに死ぬ事が怖いと言う者は守りたい何かがあるからなのだろう。
家族だったり、宝物だったり。
私の家族はとうの昔に死んでいる。あの日から呪縛でしかなかったはずの
陰陽師として戦う事が怖くなくなった。
「前のお前と一緒なんだよ。私は。何年も何年も。戦い続けて。
でも実際それは、死に場を探している亡霊にしかならない。」
「そうスねえ。御前試合前の僕はそんな感じだったスね。」
やはり、こいつが変わったのは御前試合でか。
「双星の少年。彼の目は興味深い色をしていた。」
勘久郎はニコっと笑い何も言わない。
「勘久郎様〜。診察のお時間です〜。」
看護師が勘久郎を呼んでいる。こいつは忙しい時間を練って私に会いに来たのだろうか。
「今行くスよ〜。それじゃあ夢生。治療法必ず見つけるんで絶対死なないでくださいス。」
「···ハイハイ。意図的には死なないように頑張りますよっと。いってら。」
診療所の庭を後にする勘久郎の背中を私は静かに見送った。
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黒狐＊布都（クロエ）(プロフ) - 名前固定が残念。できれば自由にして欲しかったかな。変えるのは変換設定でできたはず…ストーリー自体は凄く良いです。 (2018年1月3日 9時) (
レス) id: b7a0e82e75 (このIDを非表示/違反報告)
白百合未来 - ごめんなさい！ありがとうございます! (2017年8月26日 13時) (レス) id: 018fb8a199 (このIDを非表示/違反報告)
かるら - 焦燥というのは「あせってイライラする」という意味なので青陽院〜５〜勘久郎での使い方は不適当だと思われます (2017年8月26日 12時) (レス) id: f07921c7eb (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 勘久郎様、いいですね。続きが楽しみです (2017年8月26日 11時) (レス) id: c609ee6350 (このIDを非表示/違反報告)
白百合未来 - ありがとうございます!（喜） (2017年8月21日 18時) (レス) id: 018fb8a199 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白百合未来 | 作成日時：2017年7月24日 7時
