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「初めまして、先程斉木楠雄君と知り合ったAと言います、よろしくお願いいたします」
奴はにこにことしながら母さん達に有名スイーツ店の紙袋を渡した。
…変わり身が早いな。
「礼儀正しいお友達が出来たのね〜」
感動するな。友達じゃない。
【とにかく…早く用事とやらを済ませて帰ってくれ】
「つれないねぇ、斉木楠雄君…まぁ、用事は手早く済むものだから安心してくれよ」
…裏がある眼だ。怪しい。
だが、心が読めない…確信が持てない。
僕とそいつはリビングに移動し、座った。
「…お話があるんです。私は、PK学園に明日から転校するのですが…」
…は?
なんだ、この用事が終わったら生涯サヨナラでは無かったのか。なんだと…
「…斉木楠雄君は分かっていると思うのですが、私も同じ超能力者なんです」
【…やっぱりか】
じゃないと屋根からふわりと降りてくるとか出来ないだろうな。心が読めないのもそのせいなんだろう。面倒な奴だ。
「…しかも、私は産まれた瞬間にひとつの村を焼き付くしました」
【…は?】
いやいやいやいや。さすがの僕でも産まれたてで村を焼きはしてないぞ。
「無意識のうちなんです。人はみんな死にましたが、生き返らせて、マインドコントロールで復興中ということにしました。
ですが私が罪人という意識は変えずにおきました。…とにかく、私の能力は危険なので、斉木楠雄君に補助をお願いしたいんです」
いや…長いな。しかもこの流れは…まさか…。
「いいのよ!!辛かったでしょう…くーちゃん、助けてあげてね!」
…やっぱりこう来たか…情をもらいに来たな…。
【…仕方ない、…僕らが焼かれたら困る】
本当にそうだからな。コーヒーゼリーもあるしな。
「はは…さすがに焼かないけど…私、家ないんだよね」
【…おい、お前まさか…】
「うちに住んでもいいのよ?」
【ほらな…】
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