tantalizing (ページ9)

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「…？どうかしました？」

YG『いや、、、』

変なユンギさんだなぁ

彼はショートケーキの上にのった大きな苺を
お皿の脇の方へ移して、ひとくち、
ケーキを頬張りました

YG『ん、んまい。』

「ほんと？よかった。私もここのお店のケーキ
好きなんです。」

YG『、、、ふーん。』

またひとくち、もうひとくちと食べ進めて
あっという間にケーキは無くなりました

YG『、、、あのさ。』

彼は残った苺を大きくひとくちで頬張ったあと
小さな声で言います

「なんですか？」

YG『今日、お前なんの日か知ってんの。…俺、
俺だけなの？こんなに不安なの。』

「えっ、、、？もちろんじゃないですか。
どうしたんですか？いきなり。」

YG『記念日なのにさ、連絡ひとつ寄越さないで
かと思えば突然家にきて。俺心配なんだよ…
Aがいつかいなくなるんじゃって。
今日も俺だけが会いたいって考えてるのか
と思ってたから…っ』

そんなことない。私だって心配してる。
それに私もあなたに会いたかった。

言いたいことがたくさんありすぎて、言葉よりも先に涙が溢れてしまいました

YG『えっ…やー、泣くなよ。泣かせようとした
わけじゃ、、、』

「分かってます。そうじゃないの。…私も
会いたかったです。会いたかったからこうして
会いに来たんじゃないですか。」

YG『、、、そっか。ならよかった。』

「…でも、なかなか目が合わなくて寂しかった。
それと…連絡しなくてごめんなさい。次からは
気をつけるね？」

YG『いいんだよ、もう。…俺もごめんな。』

ふわりと笑って、彼は私の頭に手をのせました
その手は、とってもあったかかった。

YG『A～。もう片付けはこれで終わり？』

「うんっ！
手伝ってくれてありがとうございます。」

YG『礼言われることじゃねえよ。
当たり前じゃん。』

うぅん……好き。

YG『これでやーっと楽しめるわ。』

「え？なにg……！んっ…んぁ…っんユン…！」

いきなりき、きき、きすはずるいよユンギさん

YG『…んはっ……苺みたい。食べちゃいたい。』

「ユ、ユンギさんっ」

YG『俺さぁ、苺もそうなんだけど…
好物は後にとっとくタイプなんだよね』

真っ赤な舌でペロリ、とした彼のその顔は
もうすでにスイッチが入った状態でした

言うまでもなく

そのあとに飲んだ紅茶は
すっかり冷めきっていましたとさ