tantalizing (ページ7)

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『、、、んでなに。どうしたの？』

HS「何が？」

急に引っ張られたこととAのこととで
いっぱいいっぱいになって、僕は驚くほど
冷たい声で彼女に返事した

『っ、、、なんか変だったから。何年ホソクの
幼馴染みやってると思ってんの？』

HS「だから何でもないって。もう戻ろ？A
も忙しいでしょ？」

『ねぇ、その笑顔、、、やめなよ。そんなの
ホソクじゃないよ。ピエロみたいじゃん。』

HS「は？」

一瞬ビクリと波打った彼女の体
まずい、と思ったときには、もう遅かった

『ホソク前はあんなに楽しそうに踊ってたのに
最近は全然笑ってない。…ううん、笑ってるん
だけど、笑顔じゃないの。ピエロみたいに無理
に口角上げてるだけなの。苦しそうなの。』

彼女の目から、ぽつ、ぽつと滴るそれを
僕はただ黙って見つめることしかできなかった

『もう私、耐えられない。ホソクが苦しそうに
してるのなんて、見てらんないよぉ…っ。』

HS「A、、、」

『約束したよね、小さい頃。ホソクも私も、
大好きなことをやるからには、ずっとそれを
楽しんでやっていこうねって。』

HS「…うん。言ったね、そんなこと。」

『もう一度約束して。これからは、つらく
なったり、苦しくなったりしたら、すぐに私に
相談すること！それと、私の前ではホソクの
ほんとの笑顔を見せて、ね？』

HS「うん、、、僕、忙しくて、知らず知らずの
うちに自分で自分を苦しめてたの
かも。、、、ありがと。」

『んーん、全然。…そろそろ戻ろっか！』

さっきは急に引っ張ってごめんね～と言って
僕の前を歩きだすA

でも僕はこれからも、ピエロを続けなきゃ
そうしなきゃ、いけない。

幼い頃からずっと、ずっと、ずっと

抱え続けてきた君へのその気持ちが

君に、Aに気づかれぬように

今日も僕は、

“幼馴染み”の仮面を被った

道化師になるんだ