tantalizing (ページ14)

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《Your side》

「ん？どした？」

V『あの…その…っ』

なんだなんだ？もじもじして。可愛いな！！

V『僕、これから夢が叶うかもしれないって
言ったじゃないですか。』

「うん、言ってたね？これから頑張ってね！」

V『あ、ありがとうございます。…それで、その
せいで僕、多分ゲームがあんまりできなく
なると思うんです。』

「うんうん。」

しどろもどろに話すVさんをつまみに飲む
コーヒーは最高だな

V『だ、だから…次にこうやって会うための
賭けをしませんか。』

「賭け？」

コクコクと頷いた彼は、なにか必死そうな顔
だった

そんなに賭けをしたいのかなぁ…

「いいよ、わかった。」

そう言うと、彼は大きな目をさらに大きくさせ
キラキラと輝かせた

V『僕の夢っていうのが…アーティストになる
ことなんです。もし、僕が大きくなって
ビックになって、世界中の人が僕を知って
いるくらいまでになったとき…連絡しても
いいですか？』

「大きくなってビックになってって…笑」

V『はぐらかさないで！…僕は本気だよ。
だから、ほんとの名前は今は言いません。
その時には、もう絶対にヴィオレさんは僕の
名前を知ってると思うから。』

彼の真剣な眼差しを見て、冗談じゃないことが分かる

「分かった。…それから、A。」

V『え？』

「私のほんとの名前。Aって言うの。
あとは…カトク交換しよっか。」

V『い、いいんですか？』

「もちろん。じゃなかったらどうやって連絡
してきてくれるの？」

私が小首を傾げて尋ねると、Vさんは少し顔を
赤くして、そーですねと言った

あれから8年

彼は賭けに大勝利した

駅に貼ってあったあの大人気グループの
ポスターの中で微笑む彼を見ていると

ﾋﾟｺﾝｯ

「ほんっとに、、、嘘でしょ？」

V『お久しぶりです。もう十分、ビックになった
でしょ？これから会いに行くから、あの
焼きそばが美味しいお店で待ってて。』

鼓動がどんどん速まっていく

あの賭け、覚えててくれたんだな

でもまだパスタのことは焼きそばって
言っちゃうんだな

あの洋食屋さんの前でまた思い出し笑いをして
いると

『なに笑ってるの？Aさん』

今の君に名前を呼ばれるのはくすぐったいな

だけど、こんなに嬉しいことはないや

「ふふ。なんでもないよ、キムテヒョンさん」