とりあえず胃袋を掴めって誰か言ってた。多分。(男主)

35話 ページ40

Aside

an｢ねぇ、Aくん。やっぱりあの席のお客様私が

担当するよ。｣

アニスが女性のお客様を見ながら言ってきた。

『いや、｢私もああいうお客様に慣れなきゃ。｣』

そうだけどさ。でも別に暴れたりはしないだろうから

な…。

『わかりました。でもあんまりだったら俺がしますか

らね？』

an｢うん、ありがとう。｣

っと、俺は幹部の人にコーヒー出さなきゃ。

……怖いけど。

『失礼します。コーヒーでございます。』

｢……。｣

あ、無言ですかそうですか怖いので戻りますね。

『失礼します。』

また一礼して戻ろうとするとフードを被った人に呼び

止められた。

｢なぁ、このコーヒー入れたのあんた？｣

デジャブ( ˙-˙)

『はい、そうですが…。何か失礼があったでしょう

か?!』

気づかんうちに俺なんかした?!待って首跳ねられる

の？怖すぎて泣きそうなんやけど。瞬きめっちゃして

まうし。

｢いや、気になっただけや。行ってええで。｣

『では失礼します。』

はぁぁぁぁぁぁ……。良かった。こっわ！

｢はぁ？意味わかんないんだけど!無理だし！｣

ビッッックリしたあ！！声デカ！幹部の人おるって！

ワンチャン不敬罪とか言われて怒られるって！

女性客の方を見た瞬間アニスさんに水がかけられた。

一瞬思考が止まる。動き出した時にはアニスさんの目

から涙がこぼれていた。

『失礼します。お客様うちの店員に何か失礼があった

でしょうか。』

とりあえず形式道理に聞いてみるがアニスさんに非が

ないことなんてわかっている。彼女が水を被らなけれ

ばならないほどの失敗をすることはないだろう。

｢失礼なんてものじゃないわよ。この店の料理がまず

かったからお金を払えないって言ったらそこの女が口

答えしたのよ。お客に意見するなんてここの教育はど

うなっているの？｣

……おめぇが悪いじゃねぇかクソババァ。

『アニスさん。この方が言っていることは本当？』

｢いや、確認する必要とかないでしょ。早く謝って

よ。｣

『事実確認ですので。アニスさんどう？』

an｢そのお客様がユーノさんの料理をマズイっておっ

しゃったからお口に合わなかったのかな？って思った

の。でもその後お金を払わないっておっしゃって。困

りますって言ったんだけど払わないの一点張りで。何

回かやり取りをしたらしつこいって水を…。｣

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