『明日を求めて』2 ページ33
くるといいな、明日が。こんなこと、今まで考える機会もなかったのにな。
一日が終わって、当たり前のように次の日を迎えられる生活は、もうどこかに行ってしまったんだ。
床に座り、スバルと二人並んでベッドに体重を預ける。二人の距離は、ちょうど人一人分くらいだろうか。
ちらりと左を向いてスバルを見る。目は冴えているようだ。少し緊張もしている。
周りに人の気配はない。しかし、一秒でも時間が進むたび、スバルの死の気配はどんどん近づいてきているのだ。
なにか会話することもなく、ただひたすらに朝がくるのを待つ。何分、何十分、何時間ーー
「…ん、あれ…」
「ーースバル？」
どれだけの時間が経っただろう。かくりと、隣でスバルの首が落ちた。すぐに持ち上げたが、それでもこくり、こくりと断続的に頭を上下に揺らしている。どうやら睡魔に必死に耐えているらしい。
「ちょっと、スバル寝ないでよ。どうしたの、寒いの？」
「ああ…悪い、いきなり眠く…なんか、めちゃくちゃ寒いし…」
今にも閉じてしまいそうな目を片手で擦り、もう一方の手はせわしなく腕をさすっている。見れば、スバルの腕には大量に鳥肌が立っている。
今日はそんなに寒くないはずなのに、おかしいな。なにか、異常じゃないか？
嫌な予感に少しの焦りを乗せて、少しでも暖めようとスバルの背中に手を置いた。
瞬間、Aの背筋を耐え難い悪寒が走り抜けた。一瞬、体の芯が凍てついたように感じて動きが止まる。
「すば、スバル！これ、不味いやつだ！絶対に寝ちゃ駄目だよ！」
慌ててスバルの体を抱きしめて、両腕から回復魔法を繰り出す。
得体の知れない何かが今にも背中から刺してきそうな恐怖感に襲われたが、スバルの体は離さず、恐怖から逃げるように一層腕に力を込めた。
しかし、スバルの体調は変化しない。むしろどんどん悪くなってきているようで、体が寒さでガタガタ震えている。吐き気もあるようで、我慢しきれず床に胃の中のものを吐き出してしまった。
「スバル、大丈夫！？どうしよう…」
「げほっ…、え、エミリア…エミリアは…」
なお嘔吐感に襲われながら、口を押さえてエミリアの名を呼ぶスバル。
そうだ、スバルがこんな状態で、エミリアは無事なのだろうか？確かめようにもスバルを置いてはいけないーー
「スバル、肩を貸すよ。回復魔法が使えないから、せめて熱魔法で暖めながら…」
そう言う間も、スバルは絶えず嘔吐を繰り返している。これは、もうーー
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籠球(プロフ) - スーディンさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです。よろしければ、続編の方でも応援よろしくお願いします！ (2017年8月17日 0時) (
レス) id: a6bccb531e (このIDを非表示/違反報告)
スーディン - 楽しく読ませてもらっています！ (2017年8月16日 21時) (レス) id: b99a23d97e (このIDを非表示/違反報告)
籠球(プロフ) - しぇるふぃあ。さん» わわ、またまたコメントありがとうございます！一人称については、本当ですね。気づきませんでした…ご指摘ありがとうございます！修正しておきます！お褒めの言葉も、凄く嬉しいです…！よろしければこれからも応援よろしくお願いします！ (2017年8月10日 5時) (レス) id: c62e084d94 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - またまたお邪魔しますー。戦闘シーンとか「明日を求めて」→「明日を求めた」とか本当かっこいいです…!ところで、ページ35のレムの台詞の一人称が私になっていて、誰かを明かしたくないのであれば主語を省略すると良いと思います(上からみたいですみません) (2017年8月10日 5時) (レス) id: 2fca820d76 (このIDを非表示/違反報告)
籠球(プロフ) - Mさむさん» コメントありがとうございます！お褒めのお言葉、凄く嬉しいです…！確かに、陣営によっては書く必要のない章も出てきますよね。エミリア陣営は原作と同じ視点から物語を書けるので、恐らく最も書きやすいと思います。小説の更新、頑張ってください！応援してます！ (2017年6月25日 16時) (レス) id: 6a9b5f0fc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏みかん | 作成日時：2017年5月6日 20時
