『明日を求めて』 ページ32
ついに、四日目の夜がやってきた。
前回は村から帰ってきた後すぐに寝てしまったAだが、今回はスバルの死の原因が分からないため、一日中起きて何か怪しい動きがないか注意することにした。
今のところ、怪しいと思われるのはラムとレムからのスバルへの警戒心、そして村で犬に噛まれたという手の傷跡。
それ以外の要因は、屋敷の中を歩き回って探しても見つける事はできなかった。
「ラムとレムがスバルを殺すなんてこと、やっぱり想像できないから…一番怪しいのは、あの手の傷？普通の傷ではないんだろうけど…」
あの傷跡を見ていると、死の気配云々の前に、何か良くない感じがするのだ。
でも、噛んだだけで人を殺してしまう魔法なんて存在しない。
「駄目だ、分かんない…。ーーまだ勉強終わんないのかな」
今日の夜の勉強会を休むことは、どうしてもできなかった。
そのため、勉強が終わるまでAはスバルの隣の部屋で待っているしかないのだ。
今日の講師役のエミリアに、だらしなく鼻の下を伸ばしているスバルが容易に想像できる。
「刺客からの暗殺ってことなら、パックがいなくてもエミリアと私がいれば撃退できるだろうし。…エミリアを巻き込むの、スバルは反対するかな」
エルザの時のような、王選を邪魔する者からの暗殺、魔法での毒殺、はたまた全く別の原因があるのか。手の傷が、どうやって人を死に導くのかは分からない。
しかし今夜スバルが殺されるのは間違いのない事だから、最大限の警戒を。
Aが考えを巡らせている間に、隣の扉が開かれる音がした。どうやら、勉強が終わったようだ。
廊下を歩いていく音が遠くなったのを見計らって、部屋から出てすぐ隣のスバルの部屋の扉を開ける。
「お待たせ。ちゃんと目的は果たせた？」
「おうよ、ばっちり。今夜しのげば、明日は楽しいエミリアたんとのデートだぜ。むふふ」
明日のでーとに考えを巡らせ、にやにやと口端を吊り上げるスバル。正直ちょっと気持ち悪いので、やめた方がいいと思う。
「そっか。じゃあ準備は万端、私も全く眠気なし。一晩乗り切ろうか」
「ああ。…本当に眠くねえんだな？途中で寝落ちとかガチでやめてくれよ？」
「大丈夫だって。意図的に体の中のマナを活性化させて、脳の眠気を無理やり覚ましてるから。そのかわり、明日は一日中寝ることになると思うけどね」
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籠球(プロフ) - スーディンさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです。よろしければ、続編の方でも応援よろしくお願いします！ (2017年8月17日 0時) (
レス) id: a6bccb531e (このIDを非表示/違反報告)
スーディン - 楽しく読ませてもらっています！ (2017年8月16日 21時) (レス) id: b99a23d97e (このIDを非表示/違反報告)
籠球(プロフ) - しぇるふぃあ。さん» わわ、またまたコメントありがとうございます！一人称については、本当ですね。気づきませんでした…ご指摘ありがとうございます！修正しておきます！お褒めの言葉も、凄く嬉しいです…！よろしければこれからも応援よろしくお願いします！ (2017年8月10日 5時) (レス) id: c62e084d94 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - またまたお邪魔しますー。戦闘シーンとか「明日を求めて」→「明日を求めた」とか本当かっこいいです…!ところで、ページ35のレムの台詞の一人称が私になっていて、誰かを明かしたくないのであれば主語を省略すると良いと思います(上からみたいですみません) (2017年8月10日 5時) (レス) id: 2fca820d76 (このIDを非表示/違反報告)
籠球(プロフ) - Mさむさん» コメントありがとうございます！お褒めのお言葉、凄く嬉しいです…！確かに、陣営によっては書く必要のない章も出てきますよね。エミリア陣営は原作と同じ視点から物語を書けるので、恐らく最も書きやすいと思います。小説の更新、頑張ってください！応援してます！ (2017年6月25日 16時) (レス) id: 6a9b5f0fc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏みかん | 作成日時：2017年5月6日 20時
