『勉強会』 ページ29
屋敷での二回目のループが始まり、一日目は多少の誤差はあったもののAの方はきちんと前回の出来事をなぞれたはずだ。
夜中、スバルの部屋に訪れて互いに上手くやれているか確認しようとしたら、扉の前まで来たところで中からラムの話し声が聞こえたためあらぬ誤解を胸に抱えたままその日は大人しく自室に戻った。
次の日にスバルにその事を問い詰めてみれば、ラムに文字を教わっていたのだという。早速前回とずれているじゃないかと軽く脛を蹴ってやれば、想像以上に悶絶したのでこれからは力技じゃなく言葉でなじってやろうと少々反省。二日目も、無事に終わった。
そして今日、三日目の夜。
「…何でお前が来んの？姉様どこ行った？」
「ラムが、今日中にやらなきゃいけない仕事ができたからって私に頼んできたんだよ。元々、勉強を教えるのは交代制って話だったんでしょ？」
「そりゃそうなんだけどな。てっきりレムりんが来ると思ってたから…毎日仕事に追われてるレムりんと、いつもぐーたら寝てるお前だったらそりゃお前に頼むか。OK、勉強しよう」
「事実なんだけど絶妙にムカつく言い方してくるよね」
軽口を叩きあいながら、スバルが今目標にしているという童話集をぱらぱらめくる。確かに、ロ文字もハ文字もほとんど使われていないからイ文字の勉強をするならばいい教科書だろう。
「教えるって言ってもこういうのはひたすら書いて覚えるしかないからね。どこか分かんないとこあったら言って。あ、ベッド借りるね」
「寝る気満々だな、おい。男は狼って言葉知らねえの？」
「スバルが挽肉になる覚悟があるっていうなら、私も警戒するけど…？」
「ごめんなさい、真面目に勉強します！」
わきわきと手を動かしながらそう言い放ったスバルだが、盗品蔵でのAの戦いっぷりを覚えていたのか、冗談混じりに脅かしてやれば多少オーバーなくらい従順に机に向かいだした。
暫く、紙にペンを走らせる音だけが部屋に響く。
元々睡眠欲が異常に強い体質のAは、ベッドに腰かけたまま既にうとうとと船を漕いでいる。
「…スバル、明日が、勝負だよ」
「ん？…ああ、明日の夜は一晩中起きて前回死んだ原因を突き止める。お前も、一緒にいてくれれば心強いんだけど…」
「大丈夫、明日はちゃんと起きてずっと側にいるから。眠いのも、魔法で無理矢理すればどうにかなるし」
「それってちょっとヤバい薬みたいな…いや、心強いよ。ありがとな」
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籠球(プロフ) - スーディンさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです。よろしければ、続編の方でも応援よろしくお願いします！ (2017年8月17日 0時) (
レス) id: a6bccb531e (このIDを非表示/違反報告)
スーディン - 楽しく読ませてもらっています！ (2017年8月16日 21時) (レス) id: b99a23d97e (このIDを非表示/違反報告)
籠球(プロフ) - しぇるふぃあ。さん» わわ、またまたコメントありがとうございます！一人称については、本当ですね。気づきませんでした…ご指摘ありがとうございます！修正しておきます！お褒めの言葉も、凄く嬉しいです…！よろしければこれからも応援よろしくお願いします！ (2017年8月10日 5時) (レス) id: c62e084d94 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - またまたお邪魔しますー。戦闘シーンとか「明日を求めて」→「明日を求めた」とか本当かっこいいです…!ところで、ページ35のレムの台詞の一人称が私になっていて、誰かを明かしたくないのであれば主語を省略すると良いと思います(上からみたいですみません) (2017年8月10日 5時) (レス) id: 2fca820d76 (このIDを非表示/違反報告)
籠球(プロフ) - Mさむさん» コメントありがとうございます！お褒めのお言葉、凄く嬉しいです…！確かに、陣営によっては書く必要のない章も出てきますよね。エミリア陣営は原作と同じ視点から物語を書けるので、恐らく最も書きやすいと思います。小説の更新、頑張ってください！応援してます！ (2017年6月25日 16時) (レス) id: 6a9b5f0fc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏みかん | 作成日時：2017年5月6日 20時
