名前 ページ4
あの日を境に、少しずついじめはエスカレートしていった。
机を蹴られたり、彼女自身が蹴られる、なんてことも増えている。
この前なんか、上履きを隠されていた。
あの時の狼狽えっぷりも、たまらなかったなぁ。
でもいちばん興奮したのは、ある日、俺が直々に手を下して彼女の持ち物に落書きをしたときだった。
隣のクラスが体育で誰もいなくなった時間。
授業中にトイレへ行くふりをして、もぬけの殻の彼女の教室に入る。
彼女の席は、すぐそこだ。
そおっとリュックを開けると、教科書やノートが並んでいた。
一冊、手に取ってみる。
ふぅん。Aっていうんだ…
どこに落書きしてやろうかなぁ
教科書？…そうだ、もっとわかりやすい、ここにしよう
リュックの内側、彼女しか気付かないところに油性ペンで落書きをした。
そして、来た時のようにファスナーを閉めて、これで誰にも気づかれることはない。彼女以外には。
ふふ、俺のA...どんな顔を見せてくれるのかな
俺がやったなんて、夢にも思っていないだろう。
彼女は、またクラスのいじめっこ達にされたと勘違いしている。
その日、いつものようにいじめっこに足元を蹴られただけで、涙を浮かべてうつむいていたのを見た。
うふふっ。やっぱり、Aの無表情を崩すには、あのバカ達だけではつとまらないよね
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モノ(プロフ) - 「ふふっ...そう言ってくれる君のほうが、面白いと思うけどなぁ。」ｂｙ魘夢（ありがと） (2022年11月14日 20時) (
レス) @page4 id: 62933bf52d (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい… (2022年11月14日 15時) (レス) @page3 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mono | 作成日時：2022年11月13日 23時
