AU短編集3

＊フッグ様リクエスト(闇AU) ページ27

もし彼奴の目が見えていたら？そう考えただけでゾッとする。目の前では原型を留めていない肉片がそこら中に落ちている。地面は抉れ、骨が不自然に突き刺さっており、建物は殆ど無惨に壊れ、自身の手や体は赤く染まっている。とてもじゃないが綺麗とは言えない

「error！」

そんなerrorの元にAが走ってくる。Aがerrorだと分かったのは彼特有のノイズ音だろう。あぁ、今来てしまっては穢れてしまう。こんな汚れきった体じゃ撫でてやることも、抱きしめてやることも出来ない。何故ならAが穢れてしまうから。かといって糸で巻き付けるだなんて乱暴な事も出来ない。どうしようかと悩んでいるとくcrossがAの手を引くのが見えた。

「もう少しかかるみたいだから離れて待ってような」

「うん！」

crossがそう言うとAは素直にうんと言った。本当に純粋だ。Aは幼くして捨てられていた所をkillerに拾われ、彼らに育てられた。初めは人質のように使おうと思っていたが、いつの間にか愛情が芽生え、大切に育てられてきた。此の世の醜い所を見ず、聞かず、触れずして育てられたAはとても純粋で素直で、元気な子へと育った。

「もうoooo終わったかrrら帰ろうkkkか」

そう言い彼等お得意の近道を使うと、リビングにはもう全員揃っていた。

「おかえりerror、cross、A」

horrorがそう言うとテレビを見ていたnightmare達も振り返る。

「あぁ、お疲れさんerror」

「もう飯は俺らが作ったぜ」

「errorが着替えたら食べよう！」

明るく迎え入れる彼等。errorは自室へと戻り服を着替えたり体を拭いたりしてくるだろう。その間に全員分の食事を用意しようとmurderが立ち上り、机の上に並べていく。

「今日はタコスか？」

「残念今日はオムライスだ」

「オムライス！本当！？」

「あぁ、嘘はつかないさ」

余程オムライスが好きなのだろう。Aは彼等にとっては眩しい笑顔を浮かべている。

「皆揃ってから食べようね」

「もうそろそろerrorが来るだろうな」

「oooおう悪いnnnnな、食おuuうぜ」

errorが来て席に座る。それと同時にいただきますと元気に言うと各々オムライスを口に含む。

「どうだ？A」

「美味しいよ！」

「そりゃ良かった」

隣に座っているnightmareがAに食べさせる。オムライスを食べ幸せそうに笑うAを見て彼等も幸せそうに笑っている。その度に彼等は心の底からこう思う。あぁ、Aの目が見えなくて本当に良かったと。

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