奇妙なAU達の短編集

＊交差する想い3 Cross ページ7

「冗談じゃない！そんなのは初めに話していないだろう！」

「俺とお前の契約を忘れただなんて言わせないぞ、Cross。お前は黙って俺の命令に従えばいい」

「俺にAを殺す事は出来ない…それがNightmare、お前からの命令だとしてもだ！」

「ならそれでもいい。可哀想にな、一人の惚れた女だけを助ける為に他の大勢は消えたまま、お前の世界も消えたまま…何も無い所で永遠に苦しみ続ける事になる、お前もな」

隣からギリギリと歯の軋む音が聞こえる。此処まで怒り、ネガティブの溢れるCrossを見るのは初めてだ。助けたかった大勢と比べて決めきれない程、心の底から惚れた一人の女だと言うことだ

「どの選択肢がお前の多くを救えるか…賢いお前なら分かるだろう？」

大量のネガティブを感知したDreamが弓矢を構え、放ってくる。だが放たれた矢は宙で切り落とされ、Nightmareに当たることは無かった

「それでいい、お手並み拝見といこうか」

「…A…」

言い終わるや否やNightmareはその場から姿を消した。
せめて思い出されないうちに一撃で。その想いからCrossは大剣を握りしめ、あなた達の目の前へ瞬時に移動する。そして大剣を振りかぶるも、あなたがナイフで受け止め攻撃は当たらなかった

「A！しゃがんで！」

その言葉を聞きあなたは瞬時にしゃがんだ。あなたがしゃがんだと同時に矢が放たれ、Cross目掛けて飛んでいくが彼は大剣を盾にし身を防いだ。そして彼が大剣を手に持ち掲げた瞬間、あなたは手に持っていたナイフで彼の喉元を狙う。大剣に隠れ見えなかった攻撃でも彼は反射的に避けるが、ナイフは彼の服を破り少しの傷をつけた。紫色の液体が少し飛び散ったその後、破けた部分から金色に輝くハート型のロケットが顔を出した。そのロケットを見た瞬間、あの夢の中のモヤが嘘のように消え、言葉もハッキリと聞こえた


『ぼくのなまえはさんずだよ！おぼえておいてね、A！』


Sans。あなたが無意識にそう呟くと、彼は目を見開きあなたから距離を取った

「A…知り合いなの？」

Dreamが後ろからあなたに近付き、交互に顔を見る。二人の不安定な感情を感知し、少し眉を下げている。彼は目を泳がせ、少しした後にあなたを見据え近付こうとした

「戯れはここまでだ」

その言葉と同時に彼の体に触手が巻き付き、ミシッと音を立てる。彼が苦しそうに呻くと触手が彼を包み込み地面の中へと消えていった。伸ばした彼とあなたの手が触れ合うことは無かった

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