AU短編集

＊最高の時間(fellsans) ページ6

(fellsansの台詞や行動は元ネタとは異なります)



コツッコツッと長い廊下に足音が響く。Aの腕に絡まっていたフラウィーはもういない。君は間違っている、そう言いこの廊下の前で姿を消したのだ。こうなる前にEXPにしておけば良かったと少し後悔したが、この先には彼がいる。彼と戦った事は無いが、今の私なら簡単にEXPにすることが出来るだろう。

「人間。此処での挨拶の仕方を覚えてるか？」

突然、後ろから声が聞こえた。この声は彼だ。だがいつもと違う。いつもは後ろではなく前に居るはず。慌てて振り向くと青い骨が何本も刺さる。どういう事だ。話が違うじゃないか。

「その顔は…俺が予想外の行動をしたってことだな？」

至極最低な笑みを浮かべる彼を見て思わず顔が強張る。そんな私を見て彼は笑みを深める。この状況では逃げることもままならない。あまり気は進まないがリセットしようと手を少し動かした。少し動かしただけだ、それだけなのに私が何をしようか分かったみたいで、彼は素早く両腕にも青い骨を刺してきた。

「その力、元は俺が持ってたんだぜ？だからよ、お前が今何をしようとしたかなんて俺にはお見通しだ」

BAHAHA!と、私を馬鹿にしたような笑い声が響き渡る。ここからどうなるのか。見たことのないルートに興味はあるが、この絶望的な状況で何をされるのかという恐怖が勝っていた。

「なぁ、皆を殺すのは楽しかっただろ？」

そう言い、じわりじわりと距離を詰めてくる。

「分かるぜ？その気持ち。俺も楽しかった」

距離を離したいが、少しでも動けばダメージを受けてしまう。

「俺とお前は同じだな、何が同じかって？」

目の前に来て、ピタリと足を止める。

「俺とお前は狂ってるってことと…」

サンズの片目が赤色に光る。

「 穢 れ た 兄 弟 殺 し っ て と こ だ 」

彼の後ろに目をやると、大量の骨やガスターブラスターが見えた。
冷や汗が頬を伝い、もうすぐくるであろう痛みに思わず目を閉じる。が、いくら待っても痛みはこない。恐る恐る目を開けると、ニヤニヤと笑うサンズの顔が。

「殺しはしねぇよ、俺は殺人鬼が大好きだからな」

殺したのはモンスターだけどな。そう言い、馬鹿にした笑い方をされる。思わず顔をしかめる。ダメージ覚悟で攻撃しようか。そう思った時、首に違和感を感じた。その違和感を確認する前に、首にある何かでサンズに引き寄せられる。あぁ、これは…。

「死ぬまで可愛がってやるぜ？俺だけのA」

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