AU短編集

＊人肌恋しい(ink) ページ29

彼と一緒に過ごせる時間は少ない。彼はAUを見守り、何かしらの異常があればすぐにそのAUの世界に行って解決しなければならない。彼のしていることはとても大切な事で、こんな我が儘を言ってもいけないのは分かっているけれど、どうしても寂しいと思ってしまう。

「こういう時ってどうすればいいの？」

「sss知るか」

私が相談しているのは彼の敵であるerror。errorは彼の敵だけど私を殺そうとしてきた事は一度もなく、むしろ友達になって私の相談相手になってくれている。たまに冷たい返答をしてくることもあるが、帰れだとか鬱陶しいだとかは一度も言われていない。

「errorもinkのお手伝いしてよ」

「iii一応聞いてやrrる。nn何であんな奴の手ttt伝いをしなきゃいkkけないんだyyyよ」

「inkと過ごせる時間が増えるから」

「そう言uuうと思ったzzzぜ断る」

そう言い編み物に集中しだした。どうしてもこの気持ちは自分では何ともできないし、error以外には宛がないのでerrorが接触恐怖症と知りつつ後ろから抱きつく。

「私じゃどうにも出来ないの助けてerror！」

「ひぅあ！？yyyyやっっっめろ！hhhh離れろ！」

「じゃあ私を助けると思ってinkを助けて！」

「kkk断る！！」

私がerrorに抱きつきerrorが私を引き剥がそうとしていると、突然errorの体が動かなくなる。何事だろうと思い後ろを振り返えろうとすると体が持ち上げられる。errorの糸かな、とも思ったけれどそんな考えはすぐに振り払われる。

「error！どうして僕のAと一緒にいるんだ！」

私の背後から聞こえてくるこの声は紛れもない、大好きな彼の声だ。

「ttt取られたくないくらiiiい大切なら他のoo男に会いに行かせrrrるまで寂しがらssせるなよ」

俺は今編み物で忙しい。そう言ってまた編み物に集中するerror。彼に寂しがっていた事をバラされて顔に熱が集まるのを感じる。私が恥ずかしがっていると、彼が私の頬を両手で挟み顔を覗いてきた。彼の顔が近くて更に熱くなっていくのを感じる。

「…僕も寂しかった」

小さな声でそう言い固く冷たい歯を私の唇にそっと合わせてくる。唇のないスケルトンである彼からしたらこれはキスで。彼からキスをされたと思うと、思考回路がショートしそうだ。

「これからは一緒に過ごせる時間を増やそう」

たまに見せる色気の彼のある笑みは勿論好きだが、今はショートした私の頭を追い込むだけだ。

「好きだよA、もう寂しい思いをさせないから」

＊控え室(all)→←＊控え室(all)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す