*パーカー(swappapyrus) ページ27
私が地上にいた頃、彼シャツというのがあった。彼シャツと言うのは、簡単に言うと彼氏のシャツを彼女が着るっていうものだ。何故このような事を言い出したかと言うと…その…シャツではないけれど、彼氏のパーカーが目の前にあるわけでして。彼シャツというものに少しの憧れがあった私としては、彼の居ない部屋に彼のパーカーがあるのはとても好都合でして…。…着ても洗ったら怒られないよね…?よしもう着てしまおう。彼が帰ってくる前に脱げば良いだけだし。
「…予想以上に大きい」
本当に予想以上に大きくて彼のパーカーだけで膝まで隠せて、袖はぶらぶらと垂れ下がっている。…これは彼が大きいからであって私が小さいからって事ではないよね?もしかしたら私はチビ…?憧れていた筈の彼シャツならぬ彼パーカーをやってると悲しくなってきた気がする。脱ごう。少し落ち込んだ気分のまま服に手をかけようとしたら扉の開く音がした。この部屋は彼の部屋だ。ということは…。
「あー…A…?」
この声は聞き間違いようがない、彼声だ。
「p、pap…」
見つかった恥ずかしさで顔が熱くなっていく。きっと真っ赤になっているだろう。
「それ、俺のパーカーだよね?」
彼がゆっくりと確実に近寄ってくる。もしかして怒られる?そう思って体が強張ったが、彼に慈しむように抱きしめられてすぐに和らいだ。
「こんな可愛いことしてくれちゃって。お兄さん嬉しいね」
「怒ってない?」
それでも少し不安で、恐る恐る彼の顔を見る。
「怒ってはないよ。他の奴のなら怒るけど」
目が合うと、彼は笑って私を撫でてくれる。
「そうだなぁ、今度お揃いの何か買いに行こっか」
「本当!?やったぁ!」
怠惰な彼からの思いもよらぬ言葉に子どものように大喜びして、彼を強く抱きしめてしまった。少し経ってその行動が恥ずかしく思えてきて彼から離れようと思ったが、彼の抱きしめる力も強くなってそれは叶わなかった。
「俺はAの子どもっぽい反応好きだぜ?」
ニヤニヤと笑う彼は、私がこう反応をすると分かってたみたいで。
「paaaa「今から買いに行こうなー」本当!?pap大好き!」
そう言い私を持ち上げる彼が声を押し殺して笑っているのを見てハッと気付く。
「paaaa「お菓子も買おうな」じゃあpapと一緒に食べたい!」
彼がもう無理と言わんばかりの大声で笑ってまたハッと気付く。
「馬鹿あああ!!」
そう言い私が手足をじたばたさせると、A可愛いと更に笑われた。
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fenon(プロフ) - 自分がfell推しだから分かったかもしれないんだけど、首にある何かって……首輪j((殴 (2020年6月15日 0時) (レス) id: 8dce9856e7 (このIDを非表示/違反報告)
enmkssptoad114(プロフ) - 御薬袋さん» コメントありがとうございます!恐る恐る確認してみたら普通に番号ミスしてました…教えてくださりありがとうございました! (2018年2月21日 20時) (レス) id: 125e861b1b (このIDを非表示/違反報告)
御薬袋 - 楽しく見させて貰っています! あの、日常?6と7?が見当たらないのですが、 (2018年2月20日 7時) (レス) id: 1fea4285a1 (このIDを非表示/違反報告)
enmkssptoad114(プロフ) - Bonetrousleさん» いえいえ!こちらこそ三回もリクエストしてくださってありがとうございます!ネタに困りかけていたので助かりました!遅くなりましたが更新させてもらいました! (2018年2月7日 22時) (レス) id: 125e861b1b (このIDを非表示/違反報告)
enmkssptoad114(プロフ) - 調理済みのいかやきサァンさん» いえいえ!こちらこそリクエストありがとうございました!ありがとうございました!ありがとうございました!あ((ry (2018年2月7日 16時) (レス) id: 125e861b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YO!LO! | 作成日時:2018年1月7日 2時