236.誰が為に、キミの為に ページ6
隣で真剣な目を書物に向けているAを横目で見ながら、オラはドキンと胸を高鳴らせる。
それと同時に胸の奥では何故か不安がくすぶっていた。
久し振りの、Aと共に受けるイキジビキ殿の講義。
その事に朝から浮かれていたオラの心をAはこともなげに打ち砕いた。
「高林坊と一緒になるのは久し振りね。」
そう言ってにこやかに微笑むAの顔は、オラに会えてホッとしているように感じられた。
「何か悩んでいる事でもあるのか？」
講義の終わった後、廊下を歩きながらAに尋ねる。
するとAは小さな笑顔をこちらに向けた。
「うん。なにもないよ…と言いたい所だけどね。」
そういってAは申し訳なさそうに眉を下げる。
「でもこれは私自身が解決しなくちゃならない問題だから…。心配してくれてありがとう。」
ニコッと笑うAの表情は、もうこれ以上聞いてくれるな、と暗に物語っていた。
「辛い時誰かに頼ってもそれは恥ではないじゃろ。」
そう言ってもAのことだ、きっと誰にも頼らないのだろう。
「オラの力が必要な時は言うが良い。いつでもオラはAの味方じゃからな。」
「うん。…ありがとう、高林坊。」
そう言って立ち止まらずに真っ直ぐ歩いて行くAに、曲がらない強さを感じた。
思えばAは初めて会った時から揺るがなかった。
揺るがずオラにエンマ大王のことを説得し続けた。
そしてそれが誤解だと分かるや否や、今度はオラとエンマ大王を結び付けようとした。
大王妃誘拐という大罪を犯したオラにまで手を差し伸べ、導いていく。
まるでそれが当たり前であるかのように…。
――――
久しぶりの高林坊視点です。
ライバルの視点を描くのは楽しいけれど、ちょっぴり切ないですね。
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
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湖月さくら(プロフ) - 愛鬼さん» 愛鬼様。お久しぶりです。ずっとご覧くださいましてありがとうございます。しばらく更新が出来ませんでしたが、これからものんびりと続けていこうと思っています。どうぞご覧くださいね。これからもよろしくお願いします。 (2021年1月13日 22時) (
レス) id: 3bf6c87812 (このIDを非表示/違反報告)
湖月さくら(プロフ) - Epiphyllumさん» Epiphyllum様。初めまして。ご覧くださいましてありがとうございます。恋人ｼﾘｰｽﾞから読んでくださったのですね。跡継ぎ問題、今はこのままでしょうがいつか二人の子どもも描きたいなぁ。ケータくん達との絡みまで続けられたら良いのですが。よろしくお願いします。 (2021年1月13日 22時) (レス) id: 3bf6c87812 (このIDを非表示/違反報告)
愛鬼 - 実はこれ数年前から見てます！好きです！頑張って下さい！ (2020年12月30日 3時) (レス) id: 0f20c8237d (このIDを非表示/違反報告)
愛鬼 - 続きを・・・続きをお恵み下さい・・・！ (2020年12月30日 3時) (レス) id: 0f20c8237d (このIDを非表示/違反報告)
Epiphyllum - 本日恋人編からここまで全部読みました！本当に好きですｯ!エンマくんも可愛いし正直跡継ぎとか気になります！更新頑張ってください！なんかそのうちケータくんたちとも関わってくれたら嬉しいです！ (2020年12月28日 22時) (レス) id: 6812348321 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湖月さくら | 作成日時：2020年4月5日 22時
