233.消えない不安と確かな現実 ページ3
………
本日の修業やら公務やらが終わり、夕暮れの廊下を一人トボトボと歩く。
はぁ、と大きく溜息をついた私は足を止め、そっと中庭を眺めた。
「この中庭はあの頃と変わらず綺麗なのに…。」
(どうして私ってばこうなっちゃうんだろう…。)
ぼんやりとした目で立ち尽くしながら私は再び大きな溜息をついた。
エンマくんと出逢って恋に落ちて結婚して…。
自分なりの幸せを見つけつつある中、最近ではいろいろな噂話が耳に届いていた。
『大王妃としての資質』、いまだ子のない私達への『跡継ぎ問題』、それに追い打ちをかけるかのような『別の王妃を望む声』…。
(全て私がしっかりしていないせい、なんだけどね…。)
『大王妃としての資質』は初めから疑問視する声も多かった。
なんのとりえもない、力もない私が妖魔界の王妃となって良いのだろうか、と何度も自問自答した。
その上で『ないのなら身につければ良い』と考え至り、王妃となった今でも修業に明け暮れている。
子供については私も不安だった。
毎日といっていい程あんなにも仲良くしているのに、兆候すらまるでないのは何故なのか。
正式に診断して貰えばわかるのかもしれないが、もし私が子供を望めない体だったら…と考えが悪い方へばかり進み、どうにも動けなかった。
だからこそなのか、私以外の王妃――つまり正妃を望む声が一部で上がっているのは仕方のない事なのだろうか。
(私なんかより身分も力も美しさも格段上の人なんて沢山いるものね。)
――エンマくんはどう思っているのだろうか。
そこまで考えて私はプルプルと頭を振る。
エンマくんになど、怖くて聞けるはずもなかった。
聞いてしまえば足元からドンドンン崩れ落ちていってしまいそうな予感がして、いつもなにも言えなくなってしまう。
「仕方…ない、よね。」
ぽつりと呟いた声が真っ赤な夕焼けの中に溶けていく。
それは私の不安と寂しさをより一層増幅させていた。
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
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湖月さくら(プロフ) - 愛鬼さん» 愛鬼様。お久しぶりです。ずっとご覧くださいましてありがとうございます。しばらく更新が出来ませんでしたが、これからものんびりと続けていこうと思っています。どうぞご覧くださいね。これからもよろしくお願いします。 (2021年1月13日 22時) (
レス) id: 3bf6c87812 (このIDを非表示/違反報告)
湖月さくら(プロフ) - Epiphyllumさん» Epiphyllum様。初めまして。ご覧くださいましてありがとうございます。恋人ｼﾘｰｽﾞから読んでくださったのですね。跡継ぎ問題、今はこのままでしょうがいつか二人の子どもも描きたいなぁ。ケータくん達との絡みまで続けられたら良いのですが。よろしくお願いします。 (2021年1月13日 22時) (レス) id: 3bf6c87812 (このIDを非表示/違反報告)
愛鬼 - 実はこれ数年前から見てます！好きです！頑張って下さい！ (2020年12月30日 3時) (レス) id: 0f20c8237d (このIDを非表示/違反報告)
愛鬼 - 続きを・・・続きをお恵み下さい・・・！ (2020年12月30日 3時) (レス) id: 0f20c8237d (このIDを非表示/違反報告)
Epiphyllum - 本日恋人編からここまで全部読みました！本当に好きですｯ!エンマくんも可愛いし正直跡継ぎとか気になります！更新頑張ってください！なんかそのうちケータくんたちとも関わってくれたら嬉しいです！ (2020年12月28日 22時) (レス) id: 6812348321 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湖月さくら | 作成日時：2020年4月5日 22時
