235.チョコレート・ボーイフレンド ページ31
「ねっ…ちょっ、エンマく…、やめっ…。」
執務室で二人きり。
さっきからエンマくんはここぞとばかりに私を触ってくる。
私は必死で身を捩ったが所詮女の力では歯が立たない。
「ねぇ、…もぉ…。やめて〜〜!」
「ぐへっ。」
首筋に吸い付いて離れないエンマくんの頭を両手でグイッと押すと、エンマくんはしぶしぶ私を解放してくれた。
「なんだよ。今いいトコなのに…。」
ブツブツ不満そうに口を尖らすエンマくんをムッとした目で見つめながら、私は乱れた服を直した。
「もぅ。前にも言ったけど、ここは執務室。お仕事をする場所よ。こんなことをしてちゃ駄目じゃない。」
「いいじゃねぇか、今誰もいないんだし。」
プーッと頬を膨らめて拗ねているエンマくんが可愛い。
思わずにやけそうになる顔をグッと堪え、私はペコリと頭を下げた。
「今回はホント、ごめんなさい。これからはもっと相手を見て行動するわ。」
シュンとして項垂れている私の耳にエンマくんの優しい声が聞こえる。
「お前はお前のままでいい。大体お前に相手を疑う事が出来るのかよ。」
そう言われ、何も言えずにいるとエンマくんは小さくクスリと笑った。
「偽装や策略はぬらりに任しときゃいいんだよ。あいつ、そういうの大得意だろ?しれっとした顔でよくオレの事も騙してくるし。」
それからエンマくんは今までぬらりさんに騙された事を思い出したのか、げんなりとした顔をする。
しかしすぐに思い直して、私に向かって嬉しそうに笑った。
ーーー
明けましておめでとうございます。
のんびり更新ですが今年もこんな調子でマイペースで頑張っていきたいと思います。
これからもエンマ大王様とAちゃんの物語をどうぞよろしくお願いします。
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西 - この方角に福があるはずです
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湖月さくら(プロフ) - なっちゃさん» なっちゃ様。いつもありがとうございます。そんな風に言っていただけるだなんて嬉しいです。想い合っていても大切にしてても時に苦しい時もやってきます。大切なのはそれをどうやって乗り越えていけるか、なのかもしれません。これからも頑張ります。 (2019年12月31日 7時) (レス) id: 820cedf0c2 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃ - この夫婦みたいな幸せな家庭つくれたら確かにエンマくんみたいになっちゃうわw なんかうらやまし (2019年12月26日 19時) (レス) id: 7e94d5d2da (このIDを非表示/違反報告)
湖月さくら(プロフ) - アミュレットさん» アミュレット様。いつもありがとうございます。女郎蜘蛛、可愛いですよね。この作品の女郎蜘蛛も気に入っていただけたのなら嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2019年1月29日 12時) (レス) id: 822a971f0a (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット(プロフ) - 女郎蜘蛛、自分も結構好きです(^^) (2019年1月27日 20時) (レス) id: b7b163701b (このIDを非表示/違反報告)
湖月さくら(プロフ) - あっきー like u very muchさん» あっきー like u very much様。こちらこそいつもありがとうございます。楽しんでいただけるよう今年も頑張ります。どうぞのんびりとお待ちくださいね。 (2019年1月12日 16時) (レス) id: 822a971f0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湖月さくら | 作成日時:2018年9月3日 2時