221.臨戦態勢突入中 ページ17
「で、その妖力は誰なんだよっ!」
ぬらりの言葉を待ちきれずにオレが急かすと、ぬらりはなにやら渋い顔をした。
「…お答えしても大暴れ、いたしませんか?」
もったいぶって口籠るぬらりにオレはバンッと机を叩いて立ち上がる。
「しねぇよ、そんなこと。だから早くそいつの名を言え〜!」
「…既に暴れているではないですか。」
言っている事とやっている事の違うオレを見て、ぬらりは大きな溜息をついた後、真剣な眼差しを向ける。
「あの小瓶からですが、女郎蜘蛛と思しき妖力がわずかに感じられたとの報告がありました。ですがこれは…。」
「ほぉ〜、女郎蜘蛛ねぇ…。前回はオレを実験台にし、今回はAをターゲットにしたとは。いくら温厚なオレでも少しばかり怒りがスパークフィーバーだぜ!」
「おっしゃる意味がわかりません。」
フッフッフ…と黒いオーラを全身から湧き上がらせながら目の座っているオレを見て、ぬらりは頭を抱える。
しかししばらくするとオレに向き直り説教を始めた。
「ですから、先程も申し上げたでしょう!?その名を聞いても大暴れしない、と。なに一人で臨戦態勢整いました状態になってるんですか!」
「んなこと言ってられる場合かよ!Aがかかってんだぞ!?なんとしてでもオレが元に戻してやるんだよ!」
今すぐにでも部屋を飛び出して行きそうなオレにぬらりはバンッと机に書類を置く。
そしてオレに負けず劣らずにブラックオーラでにこりと笑った。
「一人で突っ走るのは結構ですがね。被害を被るのは結局わたしなんですよ。だからあんた、もうちょっと黙ってて貰えませんかねぇ…。」
(やばいっ。ぬらりが相手の事を『あんた』と呼び始めたらこりゃ相当キレてるぞ。)
オレは危機感を覚え静かに椅子へと腰を下ろす。
それを冷ややかな目で見ていたぬらりはフンッと鼻を鳴らすと続けてしゃべり始めた。
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西 - この方角に福があるはずです
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湖月さくら(プロフ) - なっちゃさん» なっちゃ様。いつもありがとうございます。そんな風に言っていただけるだなんて嬉しいです。想い合っていても大切にしてても時に苦しい時もやってきます。大切なのはそれをどうやって乗り越えていけるか、なのかもしれません。これからも頑張ります。 (2019年12月31日 7時) (レス) id: 820cedf0c2 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃ - この夫婦みたいな幸せな家庭つくれたら確かにエンマくんみたいになっちゃうわw なんかうらやまし (2019年12月26日 19時) (レス) id: 7e94d5d2da (このIDを非表示/違反報告)
湖月さくら(プロフ) - アミュレットさん» アミュレット様。いつもありがとうございます。女郎蜘蛛、可愛いですよね。この作品の女郎蜘蛛も気に入っていただけたのなら嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2019年1月29日 12時) (レス) id: 822a971f0a (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット(プロフ) - 女郎蜘蛛、自分も結構好きです(^^) (2019年1月27日 20時) (レス) id: b7b163701b (このIDを非表示/違反報告)
湖月さくら(プロフ) - あっきー like u very muchさん» あっきー like u very much様。こちらこそいつもありがとうございます。楽しんでいただけるよう今年も頑張ります。どうぞのんびりとお待ちくださいね。 (2019年1月12日 16時) (レス) id: 822a971f0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湖月さくら | 作成日時:2018年9月3日 2時